東電が事業者向け電気料金を引き上げ表明

東京電力の西沢俊夫社長は22日、本店で記者会見し、工場やオフィスなど事業者向けの電気料金を来年4月から引き上げる、と発表した。また認可が必要となる一般家庭向けの値上げについても、「できるだけ早い時期に申請をさせていただきたい」と値上げ要望を表明した。

 かつて産業界には「コスト+利潤=価格」という幸福な時代があった。1990年代頃から、世界は「価格ーコスト=損益」の時代になり、価格は競争によって決められ、利益となるか、損失となるかは経営の腕次第という風に変わったのだが、東電は今も「(自分たちが決めた)コスト+(自分たちが欲しい)利潤=(お客に払わせる)価格」という世界にいるような感じがする。偏見だろうか。
 だいたい、東電はもはや民間企業なのか、国営企業なのか、わからない存在。国有化の過程では普通、経営陣の交代があるのだが、それもなしに、なし崩しで税金を投入していくのかどうか。何だかモヤモヤしているうちに、モヤモヤと福島原発事故のツケを利用者が払うということになるのだろうか。原発事故被災者の救済は東電だけで負担するのが無理なのはわかるとして、それならそれで、税金で負担する分、東電で負担する分、はっきりさせて欲しい感じがする。やっぱり法的整理というのが一番明快だったのだろうか。
★プレスリリース「自由化部門のお客さまに対する電気料金値上げのお願いについて」東京電力 => http://bit.ly/ubks6J

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