パフューム ある人殺しの物語

 18世紀のフランスを舞台にした怪奇譚。特別な嗅覚を持った男が、街角で出会った少女の究極の香りを永遠のものとして再現しようとして起こした行為は...、という話。話の展開も、映像も面白い。ダスティン・ホフマンアラン・リックマンが登場し、英語の映画なのだが、映画を支配するムードが米国ではなくヨーロッパ的なので、誰が監督かと思ったら、ドイツ映画「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァだった。「ラン・ローラ・ラン」のようなポップな展開だけでなく、こうした昔話を語るような手法もできるのだな。ともあれ、奇想天外な物語で、いかにも中世的で面白かった。
 特別な香りによって主人公を惹きつけ、誤って殺されてしまう少女を演じていたのは、カロリーネ・ヘルフルト(Karoline Herfurth)。モデルの人かと思ったら、ドイツ人の女優さんらしい。
香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)