- 作者: スティーブン・レヴィ,仲達志,池村千秋
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: 単行本
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目次で内容を見ると、こんな感じ...
01章 グーグルが定義する世界
ある検索エンジンの半生
02章 グーグル経済学
莫大な収益を生み出す「方程式」とは
03章 邪悪になるな
グーグルはどのように企業文化を築いたのか
04章 グーグルのクラウドビジネス
全世界に存在するあらゆる文書を保存する
05章 道の世界への挑戦
グーグルフォンとグーグルTV
06章 谷歌
中国でぶつかった道徳上のジレンマ
07章 グーグルの政治学
グーグルにとっていいことは、人々にとっていいことか
で、読んでいて印象に残ったのは、こんな一節...
いまやグーグルのイメージは、世界のウェブ検索を支配し、現実世界に匹敵する影響力をもつ空間を作り上げ、ほぼすべての人の経歴や嗜好などの個人情報をかき集め、ソフトウェア、通信、テレビなどの大企業に喧嘩を売っている企業、というものだった。そういう会社が善と悪を語っても白々しいと思われるだけだった。グーグルの悪い点は針小棒大に取り上げて激しく非難され、良い点は打算ずくの行為だと決めつけられた。
それでも、論理的に正しいのは自分たちだと、グーグルの幹部たちは考えていた。論理立てて説明すれば、グーグルの意図が善良なものだと思ってもらえなくても、その行動が社会に害を与えるものではないことには納得してもらえるはずだと考えていた。データを見てほしいと、グーグルの人々はよく言った。客観的な事実に異を唱えることは、誰にもできない。自分勝手な思い込みを真実だと言い張る権利は、誰にもない。そう考えていた。
これがグーグルプレックスを支配していた発想だったし、それはこの先も変わらないだろう。しかし、グーグルが学習し始めたようにーーそして、ホワイトハウスにいるグーグルの思想的な分身も思い知らされ始めたようにーー何百万台ものグーグルのサーバーの外のリアルな世界では、データと論理だけで勝利を手にできるとは限らないのだ。
データと論理だけで勝てるとは限らないーーこれはデータと論理をドライブに急成長を達成したインターネット企業全般に通じることかもしれない。洋の東西を問わず、フェイスブックにしても、グリーにしても、グーグルと同じような体質と危うさを持っているような気がする。