パナソニックが研究部門を含め、本社人員削減。中国、韓国企業の皆さん、さあ人材取り放題です...なのかな

パナソニックは2012年度中をメドに、本社の従業員約7000人を半減する方向で調整に入った。配置転換や希望退職を募り、3000-4000人を削減する。テレビ、半導体事業や三洋電機のリストラに続き、手つかずだった本社のスリム化にも踏み切り、意思決定を速める。一連の事業構造改革に区切りをつけ、成長分野の環境へ経営の軸足を移す。(略)削減対象となるのはパナソニックの国内従業員約10万人のうち、本社部門に所属する約7000人。調達や品質保証、情報システムなど事務部門4000人と研究開発部門2000人、生産技術部門1000人が主な対象になる見通しだ。

 今朝から、このニュースが話題になっているが、本社管理部門をスリム化し、大幅削減するのはわかるけど、この記事を読むと、本社部門といいながら、品質管理、情報システム、研究開発、生産技術などという名前が並ぶ。エンジニアの虐殺かあ。これまでも日本のメーカーを追い出されたエンジニアたちが、韓国や中国のメーカーに迎えられ、先方のメーカーの躍進に技術的に貢献しているという話をよく聞いたが、今度はパナソニックが人材の供給源になるのだろうか。
 リストラとなれば、会社が辞めさせたい人だけでなく、会社のあり方に疑問を持った優秀な人材も辞めていく。エンジニアいじめみたいなリストラになれば、人材の流出に拍車がかかるだろう。そうしたエンジニアの気分を見越して、海外メーカーも人材獲得へリストアップを始めたりしているんだろうなあ。邪魔者扱いされるぐらいなら、うちに来てくださいよ、と。
 人間は必要としてくれる人のところで働くときに生きがいを感じるもので、研究開発の人間も生産技術の人間もは不良資産だ、みたいな感じが出ると、エンジニアは必要とされるところへ行ってしまうんだろうなあ。これまでの日本のエレクトロニクスメーカーのリストラでもそうだったというし...。官僚社会の日本では、会社でも現場よりも本社官僚のほうが大切にされたりする。というか、本社管理系の“社内官僚”が技術者の上にいることはよくある話。まあ、人を減らせば、目先の数字は上がるだろうけど、中・長期的には成長の芽をつぶすことになりかねない。結局、韓国や中国の電機メーカーの成長を人材支援することになったなどという話にならないといいけど...。
 ---とか、いろいろと考えてしまうニュースでした。この人員削減の数字、本社かどうかではなく、文系管理部門と技術系研究開発・生産管理部門と分けて出して欲しいなあ。通常抱く本社部門のイメージと内訳の数字が違う感じがする。それとも実際は技術系をリストラするのに、管理部門をスリム化するというイメージをつくるために、意図的にこうした情報の流し方をしているのだろうか。

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