いまや北欧を代表する輸出産業はVOLVOでもノキアでもない。犯罪小説なのだとか
英エコノミストの最新号に、こんな記事があった...
BUSINESS in the Nordic countries has suffered a series of humiliations in recent years. Nokia is a shadow of its former self. Volvo has been passed from one foreign owner (Ford) to another (the Zhejiang Geely Holding Group), and Saab Automobile has collapsed. Iceland's banking industry has imploded. But in one business, at least, Scandinavia is sweeping all before it: the production of crime thrillers.
北欧を代表するビジネスといえば、携帯電話のノキアであり、自動車のVOLVO(ボルボ)やSaabだったわけだが、Saabは経営破綻したし、ノキアにしてもVOLVOにしても苦しい。しかし、ひとつだけ好調なビジネスがあるーーそれは何か? 犯罪小説だ、という、お話。
確かに、このところ、北欧の犯罪小説はグローバルな人気を得ている。エコノミストが紹介している小説家をリストアップすると、まずは、こちら...
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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続いては、こちら...
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そして、ノルウェーからは...
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アイスランドは北欧(ノルディック)の括りで、そちらからも...
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そして再び、スウェーデンに戻って....
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で、こうした作家群の先駆者として、このコンビが入る。
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そしてテレビの犯罪ドラマでは、こちらが評判だという。
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確かに小説に映画にテレビに、北欧生まれの犯罪スリラーがいまやグローバルに花盛り。ただ、北欧自体は治安は良く、10万人当たりの殺人事件発生件数で言うと、米国が4.2、ブラジル21に対して、デンマークは0.9だという(この数字を見ても、ブラジルは犯罪スリラーというより武闘派アクション映画の舞台だなあ)。現実には少ないんだけど、小説では殺人時代が横行しているらしい。で、世界から見れば、辺境の地、言語的にも少数派といえるところからグローバルな人気を誇る犯罪小説が生まれたということで、エコノミストは成功の要因をいろいろと分析している。
そのうえで、激しさを増すグローバル競争の中で、出版界に次の波がやってくれば、オスロ(ノルウェー)やイースタッド(スウェーデン)は忘れ去られ、パリやリヨンのフリック(刑事、デカ)の話を読んでいるかもね、と結んでいる。いまや犯罪小説の世界もノキアが戦うケータイ・ビジネスの世界と変わらないということかな。このあたりは経済誌らしい締めかもしれない。