小飼弾『働かざるもの、飢えるべからず』

働かざるもの、飢えるべからず。

働かざるもの、飢えるべからず。

 副題に<ベーシック・インカムと社会相続で作り出す「痛くない社会」>。小飼弾氏による「社会保障と税の一体改革案」。生きている間はあまり税金を取らない代わりに、相続税を100%にするという過激な案。個人の資産を「社会相続」し、それを分配する最低保証制度を提案する。現代の経済システムそのものが格差を生み出す構造を持っており、中間層の基盤を揺るがし、金持ちでさえ将来に不安を抱く時代と分析する。所得の偏りはカネの流れを阻害し、経済を衰退させることになる。であるならば、ベーシック・インカムで所得の最低保障をしたほうが経済的にも合理的という考え方。問題提起として面白い。
 目次で内容を見ると...

第1部 「痛くない社会」への方法序説
 第1章 なぜいま、貧困があるのか
 第2章 社会相続という決定弾
 第3章 所有から利用へ
 第4章 労働2・0
 第5章 経済=物理+心理
 第6章 エネルギーがパケホーダイになる日
 第7章 幸せは使っても減らない
 第8章 デフォルトYesの世界へ
 第9章 その教育、プライスレス
 第10章 安心して死のう
 第11章 ぼくらの宿題
第2部 理想の社会をめぐって
 対談 アルボムッレ・スマナサーラ

 第2部は対談。なぜ、スマナサーラかと思ったら、出版社がサンガ。「怒らないこと」などスマナサーラの本でブレークした出版社だった。で、こちらの対談部分は飛ばし読みしてしまった。
怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書) 働かざるもの、飢えるべからず。 だれのものでもない社会で、だれもが自由に生きる――社会システム2.0 (サンガ新書)