ボディ・ダブル

めまい [Blu-ray] 裏窓 (Rear Window)[Blu-ray] WOWOWは今週、深夜にブライアン・デ・パルマ特集をやっているようで、放映していた。「殺しのドレス」が「サイコ」ならば、こちらは「裏窓」と「めまい」に対するオマージュ。「めまい」の主人公は高所恐怖症だが、こちちらの主人公は閉所恐怖症。その恐怖の映像表現方法も含めて、デ・パルマヒッチコックが好きなんだなあ。ただ、ヒッチコックよりもケレン味が強い感じがするけど。加えて、エロティックな要素が強い。このあたりは1980年代という時代だろうか。それとも、個人的な嗜好か、サービス精神か。
 ボディダブルとなるヒロインを演じたメラニー・グリフィスは、この映画でようやくブレークした。1975年、アーサー・ペン監督の「ナイト・ムーブス」でデビューし、注目を浴びた時が17歳(ウィキペディアによると。1957年生まれだから、18歳ともいえそうだけど)。しかし、その後は鳴かず飛ばずで、なかなか役に恵まれず、1984年、27歳になり、この「ボディ・ダブル」で女優として評価されカムバック、88年の「ワーキング・ガール」でハリウッドスターとしての地位を盤石のものとした。ブライアン・デ・パルマの才覚(というか、お遊び)が暴走気味のところもあり、ちょっとやり過ぎ感もある映画だが、グリフィスはとても魅力的で輝いており、彼女にとっては記念すべき映画。遠回りしたけど、花開いた。