「エブリシング・オア・ナッシング」と言っても、ゲームではなくて、WOWOWで放映していた007シリーズに関するドキュメンタリー。イアン・フレミングや007映画については、それなりに知っているつもりでいたが、この映画を見ると、知らなかったことが多いなあ、というか、何にも知らなかったなあ。
「サンダーボール作戦」に関する盗作問題はうっすらと知っていたが、イアン・フレミングの寿命を縮めたばかりか、これほど深刻な影響を後々まで与えていたとは知らなかった。正統派007シリーズからは外れる「ネバーセイ・ネバーアゲイン」は、その産物だったのか。これも知らなんだ。ショーン・コネリーとアルバート・ブロッコリがここまでこじれていたことも初めて知る。007映画はあまりにも成功したために、いろんなことが起きたのだなあ。アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンの2人が揃っていなければ、成立しなかった映画なのだが、成功が2人の反目を生むことにもなる。一作だけ主演したジョージ・レーゼンビー本人が、自分自身の自滅ぶりを語るのも興味深かった。時代に飲み込まれたのだなあ。
「女王陛下の007」で、ボンドは結婚するが、ヒロインは殺されるという悲劇的な結末を見せる。これも戦時中にイアン・フレミングの恋人が戦死したことに由来しているのだとか、「カジノ・ロワイヤル」の由来とか、へえ、という話がいろいろと出てくる。そして、ピアース・ブロスナンからダニエル・クレイグへの変更の背景には、911以降の社会変化が背景にあるという。
007映画は冷戦の崩壊も、911以降のテロの時代も社会変化に合わせて変化してきたのだなあ。そうした適応力があってこそ、50年以上もシリーズが続いたのだなあ。社会の変化を知ることにもなる意外と面白かった。
★WOWOWの「エヴリシング・オア・ナッシング:知られざる007誕生の物語」の紹介ページ
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/103112/
★「エブリシング・オア・ナッシング」は007ゲームのタイトルでもある
007 エブリシング オア ナッシング (Playstation2)
- 出版社/メーカー: エレクトロニック・アーツ
- 発売日: 2004/02/11
- メディア: Video Game
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