探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

 大泉洋松田龍平コンビのススキノ探偵シリーズの映画化第2作。2人の演じるキャラクターが好きなんだが、今回のストーリーはうーん。落ちは意表をつくもので、面白いと思ったのだが、しかし、敵役に脱原発の政治家を持ってくるのは無理がある。この政治家ひとりを「巨悪」「偽善」とするのはちょっと...。個の程度のスキャンダルは、電力会社や経産省、警察だって、すぐに掴んでしまうし、そのスキャンダルを隠すかどうかというのは無理が...。脱原発と言いながら、クリーン・エネルギー利権が絡んでいるとか、裏で電力会社とつながっているとか、もうちょっと凝らないと、何だか原子力ムラの脱原発派排斥キャンペーンのカネが映画づくりに流れているんじゃないかとか、かえって疑ってしまう。
定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー ヒッチコックマクガフィン理論じゃないけど、今回の映画の中に「脱原発」とか、わざわざ道具立てする必要はなかったんじゃないか。かえって、こうした争点を持ち込むと、焦点がボケてしまって、かえって安っぽくなってしまうし、別の政治的な意図があるんじゃないかと邪推されることになったりもする。そのあたりが残念。それに同性愛がマイナスイメージとなるのは、マッチョな保守系政治家のほうで、革新系の場合は、それほどのダメージにはならないような気もする(異端なわけだから)。ともあれ、政治を下手に持ち込むと、話が混乱してしまう。第1作に出てきた右翼団体が主人公たちを襲うと、さらに混乱する。脱原発・政治家のスキャンダルを握ろうと、室蘭の男の子を融解するというのならば、わかるけど。脱原発派つぶしのために。
 まあ、でも、大泉洋松田龍平は好きだから、まあ、いいか、という感じ。田口トモロヲ安藤玉恵、マギー、波岡一喜は第1作からの続投。大泉が溺れるセクシーな女性は誰かと思ったら、麻美ゆまだった。