ヒッチコック

サイコ ベストバリューDVDセット ヒッチコックの傑作「サイコ」の創作を軸に、アルフレッド・ヒッチコックと英国時代からの盟友であり愛妻のアルマ・レヴィルとの夫婦愛と葛藤を描く物語。ヒッチコックアンソニー・ホプキンス(よく似ている。顔というよりも風情や話し方が)、アルマをヘレン・ミレンが演じる。「サイコ」の製作に至る背景として「北北西に進路を取れ」の大成功にもかかわらず、行き詰まりを感じていたとか(ヒッチコックはヒット作を出しながら、アカデミー監督賞とは無縁の人だった)、「サイコ」の内容に恐れをなした映画会社は資金を提供せず、自らの資金で製作したとか、興味深い内容が多い。確かに1960年当時、ただ映画のストーリーを聞いただけならば、あの映画に出資する人はいないだろうなあ。さらにヒッチコック作品のヒロインを演じた美人女優たちとの関係も語られる。どこまでが本当の話なのか、わからない感じもするが、ともあれ、役者が揃っているので面白かった。
 俳優陣で言うと、ジャネット・リーを演じたスカーレット・ヨハンセンやヴェラ・マイルズ役のジェシカ・ビールは、ヨハンセンであり、ビールだったが、アンソニー・パーキンス役のジェームズ・ダーシーが異様に似ていて、面白かった。
 映画好きとしては、有名なシャワーの殺人のシーンをどう撮ったかというところに興味があるのだが、そのあたりの技巧的な部分についてはあまり描かれていなかった。ただ、製作後、試写会での反応が悪く、再編集した際に、バーナード・ハーマンの音楽付け加えたという。あの音楽がなかったら、全く違う印象になっていただろうなあ。そう考えると、再編集前のフィルムを見てみたくなる。
 で、「サイコ」の映画づくりについては、いろいろなところで語られていて、ヒッチコック本人は、この本で、フランソワ・トリュフォーのインタビューに答えている。
定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

 主演のジャネット・リーも「サイコ」について語っている。
サイコ・シャワー (リュミエール叢書)

サイコ・シャワー (リュミエール叢書)

 こちらの本を読むと、ジャネット・リーヒッチコックをリスペクトしている様子。