続・ブラジルで連想する映画というと(ブラジルの外の人が描いたブラジル)

 昨日の続きで、ワールドカップ開幕を前にブラジルから連想した映画。昨日のブラジル人が描いたブラジルの映画ではなく、今回はブラジルの外の人、外国人の目から見たブラジルの映画。
 ということで、まずは古典でいうと...

黒いオルフェ Blu-ray

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 フランス人のマルセル・カミュが監督した「黒いオルフェ」。ギリシャ神話の「オルフェ」を、リオのカーニバルが舞台に生き返らせた映画。音楽も有名です。
 ですが、やはりブラジルというと、アクション映画の舞台として魅力的なようで、古いところでは、こちら... フランス映画で、監督はフィリップ・ド・ブロカ
 フランス人はリオが好きなようでアクション映画もあります。主演は、ジャン=ポール・ベルモンドと、カトリーヌ・ドヌーブのお姉さんのフランソワーズ・ドルレアックという当時の若手スター共演でした。誘拐されたフィアンセを追ってベルモンドがブラジルを疾走する冒険活劇です。
 最近の映画では、こちらでしょうか。 ヴィン・ディーゼルポール・ウォーカー主演の人気シリーズ「ワイルド・スピード」の第5作。「シティ・オブ・ゴッド」や「エリート・スクワッド」の影響が濃厚で、スラムを舞台に暴力が炸裂します。最近のハリウッドのアクション映画を見ていると、ブラジルとロシアは何でもあり、といった感じです。街なかでも、マシンガンだろうが、バズーカ砲だろうが、大暴走カーチェイスだろうが、全くの戦場状態。正義は曖昧で、警察と犯罪組織の区別もつかいない異空間の世界です。アクション映画としては面白いんですが、欧米系の人たちは、そんな無法地帯としてブラジルやロシアを見ているんだな、と思えます。
 南米は第二次大戦後、ナチスドイツの幹部や戦犯たちの逃亡・潜伏先でもあり、そんなことから、こんな作品も...
ブラジルから来た少年 [DVD]

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 もう「ブラジルから来た」といっただけで、ミステリアスな時代があったわけです。やはり、欧米から見ると、ナチスの隠れ家になるような異空間として認識されていたんですねえ。
 で、ブラジルとは縁の深い日本。こんな人も行っていました。 加山雄三若大将シリーズの舞台にもなっていたわけです。リオといえば、サンバとカーニバル。日本人にとっては、明るい希望の地というイメージのほうが強いのかもしれません。
 最後に直接はブラジルと関係ないのですが... タイトルが「ブラジル」ですし、映画の中で陽気に流れる音楽もブラジルで、日本では「未来世紀」という言葉もついたりしていますが、内容はブラジルとは直接関係ありません。何しろ、テリー・ギリアムが監督ですから、陽気なブラジルの音楽とは対照的なブラック・ユーモアに溢れたアンチ・ユートピア映画でした。大好きな映画の一つですが。
 「ブラジル」って、外国人には、いろいろな妄想を抱かせる国なのかもしれません。共通するのは、希望と混沌の国というイメージでしょうか。