大竹昭子「あの画家に会いたい個人美術館」ーー創作の軌跡と作家が育った風土を教えてくれる美術館たち

あの画家に会いたい個人美術館 (とんぼの本)

あの画家に会いたい個人美術館 (とんぼの本)

 個人が集めたコレクションを収蔵した美術館ということではなくて、一人の画家を中心とした美術館。この本の冒頭に出てくる北海道立三岸好太郎美術館とラストを締める奄美大島田中一村記念美術館は行ったことがある。どちらも好きな美術館。作家の創作の軌跡がわかり、楽しめるし、北海道、奄美大島と、それぞれ作家のゆかりの地でもあるが、場所も良かった。
 しかし、個人に焦点を絞った美術館は全国各地にあるものだなあ。青森市棟方志功美術館、長野県信濃美術館・東山魁夷館、一宮市三岸節子記念美術館とか行ってみたいなあ。三岸好太郎、節子は夫婦で「個人美術館」があるのだなあ。青木繁の作品は久留米市石橋美術館にある。17人17美術館が紹介され、そのほかとして巻末に「各地の個人美術館」が紹介されている。この手の「個人美術館」の場合、作品だけでなく、その人が育った風土を知ることができる。アートと同時に旅心を刺激する本。