『リア王』を読んでみた
- 作者: W.シェイクスピア,William Shakespeare,松岡和子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/12/01
- メディア: 文庫
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で、読んでみて思ったのは、このリア王と3姉妹の物語かと思ったら、それだけではなくてリア王の物語であると同時に、王の側近のグロスター伯爵と2人の息子(ひとりは嫡男でひとりは庶子)の物語でもあること。ふたつの家族の愛憎劇が交錯する。しかも、物語はハードボイルドというか、救いのない冷酷な運命に家族が翻弄される。『ジュリアス・シーザー』が政治劇だとすれば、こちらは王位継承を物語としながらも、ホームドラマかもしれない。。
松岡訳バージョンは下部に注釈が入るなど親切。シェイクスピアは多くの人が翻訳しているので、各バージョンを読み比べてみるのも面白いかな、と思った。
最後に印象に残った台詞を一つ。リア王の娘たちによって盲目にされ、さまようグロスター公爵の台詞。
私には道などない。だから目もいらない。目が見えたことには躓いた。よくあることだ、頼りになるものがあれば油断する。極端な弱みは強みに変わるのだ。
名台詞という意味では、『ジュリアス・シーザー』のほうが印象に残るフレーズが多かった気がする。