レイモンド・チャンドラー「ロング・グッドバイ」

ロング・グッドバイ

ロング・グッドバイ

 村上春樹の翻訳。「グレート・ギャツビー」は、スコット・フィッツジェラルド村上春樹の共作というか、村上春樹の「ギャツビー」という感じだったが、これはレイモンド・チャンドラーといった感じだった。それだけ、チャンドラーの個性が強いと言うことだろうか。饒舌で自意識過剰で、ハードボイルドなフィリップ・マーロウの物語。息をもつかせず、読ませる。本編も面白いが、村上春樹による「訳者あとがきーー準古典小説としての『ロング・グッドバイ』」が秀逸。「グレート・ギャツビー」との共通性に関する指摘を読むと、なぜ、村上春樹が「ロング・グッドバイ」を訳すのかがわかる。語り口という面もあるが、無垢と崩壊の感覚もまた共通している。そして、この崩壊の感覚は、バブル崩壊を通過した日本にはとりわけ近しい。1920年代のバブル、30年代の恐慌、そして2度の世界大戦による大量殺人を経験した米国は、フィッツジェラルドとチャンドラーの文学を残した。80年代のバブルと90年代の失われた時代は、日本に何を残したのだろう。少なくとも、この二人の文学をより深く理解し、感じることはできるようにしたのだろうか。だから、2000年代に村上春樹がこれを訳す現代的な意義は大きいし、そこが時代に敏感な村上ならではの仕事なのだろうか。

オバマ、ワシントンなど3州で圧勝

Senator Barack Obama won decisive victories over Senator Hillary Rodham Clinton in Washington, Louisiana and Nebraska on Saturday, giving him an impressive sweep going into a month when the Democratic nominating contests are expected to favor him.The successes come just as Mr. Obama is building a strong advantage over Mrs. Clinton in raising money, providing important fuel for the nominating contests ahead. Still, the results were expected to do little to settle the muddle in the delegate race that resulted after the wave of contests last Tuesday in which the two candidates split up states from coast to coast.

 民主党の大統領予備選、オバマがワシントン、ルイジアナネブラスカで、ヒラリー・クリントンに圧勝。ワシントンは、カリフォルニアに次いでアジア系米国人が多く、ヒラリー有利ではないかというテレビニュースを見たことがあるが、杞憂だった。というか、オバマに勢いが付いてきた感じ。地滑り的大勝利と書いていたところもあった。ニューヨークタイムズの、この記事を読むと、資金集めでもオバマが優位に立っているらしい。みんな、勝ち馬に乗るからね。そうしたムードが出てきたと言うことだろうか。これが両者均衡の膠着状態を打開することになるのかどうか。ワシントン州の州都はシアトル。マイクロソフトも、スターバックスも、任天堂の米国本社もここにある。カリフォルニアとともに新興企業群の拠点でもあるわけで、このあたりでオバマが支持を受けていると言うことは、指名争いにも大きな影響を与えるのだろうか。

米ヤフー、マイクロソフトの買収提案を拒否

米ヤフーがマイクロソフト(MS)からの買収提案を拒否する見通しであることが9日明らかになった。複数の米メディアが報じた。1株31ドルの買収価格が不当に低いとして、11日にMSに提案拒否を通知するという。MSはインターネット事業でのグーグル追撃にはヤフー買収が不可欠とみており、買収価格引き上げなどで対応する可能性がある。

 買収価格が低いというのが理由らしいけど、それだけかどうか。まあ、ネット系に嫌われるかもしれない相当なリスクを冒すわけだから、それなりの値段をつけてくれなくては困ると言うことだろうか。マイクロソフトにしてみれば、ヤフーは自分の立場が分かっているのか、ということかもしれないが。自分たちが助けなければ、グーグル軍の前に消滅するだけだと。まあ、消滅はしないまでも、衰亡の坂道を転げ落ちていくだけだと。まあ、駆け引きだなあ。

ジョーズ

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 もう何度も見ているのだけど、CATVで放映していて、久しぶりに通しで全部、見てしまう。鮫はいかにもチャチで、今だったら、CGで、もっとリアルに作るんだろうけど、それでもやっぱり面白い。スティーブン・スピルバーグ監督の腕はもちろん、シナリオがいいのと、ロイ・シャイダーリチャード・ドレイファス、ロバート・ショーといった役者がいいんだな。それに、ジョン・ウィリアムズの音楽が完璧だし。ともあれ、楽しめる。

呪われた交番? 警官の拳銃自殺事件が続く

10日午後5時10分ごろ、栃木県益子町益子の県警真岡署益子交番2階のトイレで、同署地域課の巡査長の男性(27)が、頭から血を流して死んでいるのを、一緒にパトロールする予定だった巡査部長(60)が発見した。右頭部を拳銃で撃ち、遺書とみられるメモが見付かった。真岡署は自殺とみている。益子交番では昨年12月にも、配属2年目の男性巡査(23)が、遺書を残して拳銃自殺した。 

 半年も経たないうちに、二度も拳銃自殺事件が同じ交番で起きるなんて、どうなっているのだろう。怖いなあ。交番自体に何かがあるんだろうか。その分野に強い人にみてもらったほうがいいのではないだろうか。合掌。

ロシア政府系ファンドが日本に投資?

クドリン・ロシア副首相兼財務相は10日、ロシア政府系ファンド(SWF)が日本への証券投資を検討していることを明らかにした。額賀福志郎財務相との会談後に、記者団に語った。また、クドリン副首相兼財務相はロイターに対して、具体的には日本国債と株式に関心があると話した。

 国債を買ってもらえるのは(持ち続けてもらえるのならば)有り難い話だけど、株式って一体、何を買う気なんだろう。これは株式次第ではちょっと怖い話になってくるけど。自由に市場に任せるべきものと、国益や公共性を考えて、ある程度、制限が必要なものとを考える時期なんだろうか。