不思議な、不思議な「茶々」映画

正月映画のしんがりとして、東映の大作「茶々-天涯の貴妃(おんな)」が12月22日公開された。この原稿を書いている時点では、興行成績は不明だが、どんなスタートを切ったのか大変興味深い。以前にも書いたが、「茶々」には東映は大きな賭けをしているのだ。まず何といっても、9月に制作決定し、12月初旬アップという驚異的なスケジュールで作ったことで、しかも一般には馴染みの薄い元宝塚女優、和央(わお)ようかを主役に大抜擢したことが英断である。

北京原人 Who are you? [DVD] 年末から交通広告やらテレビ広告やら大宣伝している「茶々ーー天涯の貴妃」。何だか不思議な映画。主演の女性はポスターを見ているだけだと、誰だか分からない。宝塚のスターと聞いて、ああ、と思うが、名前を聞いても、宝塚にそれほど興味があるわけでもないから、よく分からない(宝塚の男役スターから女優に移るときは、キャスティングとか戦略を考えてあげないと、かわいそうだよなあ。特に最初の作品選びがすごく大切だと思うんだけど。宝塚の男役出身の良い女優は多いわけで、作品選びで失敗して「女優としてはダメだね」なんていわれたら、かわいそうだもんなあ。映画見ていないから、わからないけど)。
 で、これは何なのかと思って、ネットを散策していたら、銀座新聞ニュースのこの記事に突き当たる。そうかあ。東映の映画だったのか。どこかの会社の社長が主演女優のファンで、私財を投じて作りました、という類の映画かと思っていた。東映かあ。東映も「北京原人」なんて映画を大まじめにつくったり、よく分からないところのある会社だから、また、その類のプロジェクトなのだろうか。もっとも、東映のプレスリリースによると、こんな具合になる。

男たちの大和/YAMATO』・『大奥』に引き続き東映京都が手がける、お正月映画にふさわしい大スケールかつ、ハイクオリティのエンタテインメント。

 う〜ん。「YAMATO」「大奥」と並ぶ正月大作と言われても・・・。まあ、前の2作も時代錯誤といえば、時代錯誤だから、ここでもう一つ押してみて、という感じなんだろうか。やっぱり、よう分からん。ものすごい数の映画館で拡大公開しているみたいだけど、興行成績はどんな具合なんだろうか。