[世界[経済]米経済政策は迷走中?FRB議長が中小銀行破綻に言及しては・・・

 バブル崩壊後、傷ついた金融システムをどう修復するかをめぐって日本の経済政策は迷走、米国から批判を浴びたもんだけど、その米国も自分が当事者になってみると、やはり迷走してしまうみたいだなあ。

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は28日、上院銀行住宅都市委員会で、金融機関の破綻の可能性を聞かれ「不動産に過剰投資している中小銀行があり、その不動産が値下がりしている。多少の破綻を予想する」と述べ、中小の破綻が増える恐れがあることを認めた。大手銀行については「深刻な問題を予想していない」としながらも、資本増強の必要を改めて訴えた。

 う〜む。中央銀行のトップが「中小銀行の破綻を予想する」なんて言ってしまって、いいのだろうか。「大手銀行に深刻な問題はない」と言っても、見出しに取られるのは「中小銀行の破綻を予想」だから、市場の不安心理を増幅するだけみたいな気がするけど。

28日の米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比112ドル10セント安の1万2582ドル18セントで終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに反落し、同22.21ポイント安の2331.57。S&P500種株価指数は続落し、1367.68で終えた。議会証言でのバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言などを手掛かりに売りが優勢となった。

 ほら、やっぱり、株は下げちゃった。バーナンキが言いたかったことは、金融システムの安定のためには金融機関の資本増強が必要ということかもしれないけど、言い方が直接的なんだなあ。グリーンスパンみたいに何を言っているかわからないけど、何となく真意は伝わるみたいな「芸」がFRB議長には求められるんだろう。バーナンキは学者だから、直球で話してしまうんだなあ。今のような局面には、向いていないのかもなあ。で、その資本増強のほうだけど・・・

米国のポールソン財務長官は28日、シカゴで講演し、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に関して「投資家や貸し手、投機を行った者を救うつもりはない」と公的資金による救済を否定する考えを表明した。米議会では民主党の有力議員らが政府による救済案を提示していた。

 まだ公的資金投入を議論するのは早いと言うことかもしれないけど、90年代の日本は公的資金の投入を躊躇しているうちに、事態はどんどん悪化していった。大統領選を控えた米国は当時の日本と同じで、政治家は結局、欲に走って破綻した銀行に税金を入れようとはなかなか言えないのだなあ。公的資金投入によって救おうとするのは、銀行と言うより金融システムで、金融システムの混乱は国民を苦しめることになるんだけど、それでも、なかなか言えないんだろうなあ。サブプライム問題は相当大きそうだし、最終的には公的資金を投入しなければならなくなる可能性が強そうだけど、そのタイミングと規模が難しいだろうなあ。