借金が少ない世界とは低成長の世界

 Newsweek日本版の最新号(2008年11月5日号)で「株価崩落」特集を組んでいる。その巻頭記事「新興市場に燃え広がるデレバレッジの炎」(The Great Deleveraging)に、こんな一節があった。

 現状の大混乱で浮かび上がった皮肉な事実がある。借金が少ない世界とは、低成長の世界だということだ。エコノミストはすでに「グレート・デプレッション大恐慌)」ならぬ、「グレート・デレバレッジング」という言葉を使いはじめている。そしてその動きは、今後数年続くという。

 株価崩落後、「大恐慌」論も散見するが、1930年代とは経済体制は違うのだし、大恐慌のような状態になるとは思わない。だいたい不幸は同じ顔をしてこないし。金融体制も、財政体制も、政府や中央銀行の役割も意識も知識も違う。ただ、過剰な負債で過剰な成長をつくってきたわけで、その仕組みが壊れたときは・・・。Newsweekが書いているような世界が一番可能性が高そうだなあ。米国の過剰消費、BRICsの急成長ーーいずれも過剰な負債でレバレッジを最大限に効かせていただけに、この仕組みが壊れて、借金に頼れなくなったとき・・・。やっぱり低成長なんだろうなあ。低成長に慣れることが、これからの課題なのかも。
【参考】
Newsweek日本版2008年11月5日号の内容は
 http://www.zassi.net/mag_index.php?id=185&issue=24349