2009-03-29 関口安義「芥川龍之介」 本 芥川龍之介 (岩波新書)作者: 関口安義出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/05/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (4件) を見る 芥川龍之介の評伝。芥川というと、古典に素材をとった技巧的な作家というイメージを持っていたのだが、この本を読んでイメージが変わった。古典を題材に、現実の苦悩を文学に昇華させていたんだなあ。実母は精神を病み、養子に出され、初恋の人との結婚は否定され、愛人との関係、義兄は自殺し、文壇では若くして成功した嫉妬もあり攻撃される。不眠症に悩み、心身ともに、ぼろぼろになっていく。自滅的な人間というより、むしろ環境に追い詰められていった感じがする。読んでいくと、自殺に至ったのもわかる。芥川の作品は、中学・高校時代に読んだが、改めて読み返してみたくなる。