菅・改造内閣が決まる。小沢グループから入閣ゼロ

菅直人首相は、17日夕に発足させる改造内閣の全容を決めた。外相に就任する前原誠司国土交通相の後任に馬淵澄夫国土交通副大臣を昇格させるとともに、農林水産相鹿野道彦衆院予算委員長、厚生労働相細川律夫・厚労副大臣をそれぞれ起用する。代表選で首相に敗れた小沢一郎元代表の議員グループからの閣僚、党幹部への登用はゼロだった。

 老獪な政治家ならば、敵も自分の掌中に置いておくのだろうが、小沢グループからの入閣はゼロ。「適材適所」を貫いた結果、今回はこういう結果になったということかもしれないが、これはこれで火種をつくりそうだな。で、閣僚名簿全体はこんな感じ。

首相 菅直人 ▽総務(民)片山善博 ▽法務・拉致問題担当 柳田稔 ▽外務 前原誠司 ▽財務(留) 野田佳彦 ▽文部科学 高木義明 ▽厚生労働 細川律夫 ▽農林水産 鹿野道彦 ▽経済産業 大畠章宏 ▽国土交通 馬淵澄夫 ▽環境 松本龍 ▽防衛(留) 北沢俊美 ▽官房(留)仙谷由人 ▽国家公安・消費者・少子化対策担当 岡崎トミ子 ▽郵政改革・金融担当(留) 自見庄三郎 ▽経済財政担当 海江田万里 ▽国家戦略 玄葉光一郎 ▽行政刷新・公務員改革(留)蓮舫
(敬称略、民は民間、留は留任)

 注目はやはり総務大臣になる片山善博氏だろうか。ちょっと期待してしまう。ただ、地方自治の専門家で情報通信関係は門外漢というイメージがあるが、どうなんだろう。経済財政担当の海江田万里氏は、今度は言葉ではなく、実務・行動が問われることになるのか。外相は前原氏の横滑り。どうも配慮が足りずに波風呼ぶ発言が多かったような気がするのだが、あの軽さで大丈夫だろうか。民主党代表時代は偽メールに騙された事件もあったし...。
 消えたメンバーで言うと、原口、長妻の両氏は残念に思っているのだろうな。国家戦略担当の荒井氏は事務所費問題しか記憶に残っていない感じ。千葉法相はやっと退任。
 でも、結局のところ、この内閣のキーポイントはやはり仙石官房長官なのだろうか。
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