関口和一『情報探索術』

情報探索術 (日経文庫)

情報探索術 (日経文庫)

 日経でIT分野を担当している関口和編集委員による「知的生産の技術」。インターネットの使い方から取材の方法にいたるまで,自らの経験を交えながら、ノウハウが紹介されている。メモ帳としてA4のコピー用紙を使っているのが面白かった。超整理手帳と一緒に使えるし、コピーやスキャンも簡単。関口氏はスキャンしてデジタルデータとして保存しているという。なるほど、と思うことが多い本。
 目次で中身を見ると...

[I]情報を見極める
 多様な情報のすがた/一次情報と加工された情報/情報の曖昧さを取り除く/情報の取捨選択
[II]メディアとツールを使いこなす
 新聞・雑誌記事を探す/テレビ・映像を探す/インターネット①グーグルの活用法②日経の情報サービス活用法③政府サイトを活用する④無償ソフトを使いこなす/電子メール・携帯電話の徹底活用法
[III]人から話を聞き出す
 収集目的の確認/スケジュールの立て方/話を聞き出す①相手に直接会う②電話・電子メール取材/情報ツールの使い方/展示会を歩く/海外取材のポイント
[IV]データベースを持つ
 自分のデータベースを作る/整理--集めた情報の捨て方/整頓--自分のデータベースを構築する/確認--鮮度や出所を見分ける/保存--自分のデータを守る
[V]ネット社会のルール
 著作権を守る/個人情報の取り扱い/セキュリティーの確保

 という感じ。「日経の情報サービス活用法」が入っているのは日経の記者の著書のためか。2006年の出版だったので、「電子新聞」活用法は出ていなかった。
 いろいろな人の情報活用術も出ていた。面白かったのは、GEのCEOだったジャック・ウェルチのメールの使い方。叱る場合はメールではなくて、本人と会って話してというのは、よく言われているメール作法だが、ウェルチはメールと対面の間にファクスがあるという。メールよりも手書きのレターを渡したほうが感情がこもるため、連絡はメールだが、褒めたり、忠告したりするときは手書きファクスなのだという。これは面白い使い方だった。