「2001年 宇宙の旅」

2001年宇宙の旅 [DVD]

2001年宇宙の旅 [DVD]

 いまやSF映画の古典とも言えるスタンリー・キューブリックの名作。夜、NHK-BShiで放映していたので、途中から見てしまう。HALが歌いながら“絶命”していくところを再見。ラストはやっぱりわけがわからない。それにしても、この映画は革命的な映画だった。後のSF映画にどれだけ影響を与えたか。リアルなSFがこのときに誕生したと言って過言ではないだろう(「禁断の惑星」のようなパルプマガジンみたいなSFも好きだけど)。
禁断の惑星 [DVD] と同時に、この映画が商業映画として成立したこと自体が驚き。見なきゃ世間の話題についていけない社会的なイベントと化した映画、いわゆる「イベント・ムービー」になったことがヒットの大きな要因だったのだろうが、それにしても今だったら、果たして、どうだろう。こうしたアート的な映画が一般に受け入れられる環境はまだあるだろうか。それ以前に、こうした映画を製作する環境自体が映画界にはもう失われてしまっただろうか。
 まあ、そんな小難しいことを考えるよりも何よりも、映像体験を楽しむ映画。いま見ても、デザインの美しさに心を奪われる。キューブリックは工学的な美しさ(インダストリアル・デザインのアート性)を熟知している人だったのだなあ、と改めて思う。