増田剛己『思考・発想にパソコンを使うな』

思考・発想にパソコンを使うな (幻冬舎新書)

思考・発想にパソコンを使うな (幻冬舎新書)

 副題に<「知」の手書きノートづくり>。パソコンは確かにアイデアを練ったり、思考を整理していくツールとしてはあまり向いていない。そこで興味を持って読んでいみた。タイトルから発想法に比重を置いた本かと思ったら、むしろ、「ネタ帳としてのメモ・ノート・日記の方法」といった感じだった。特に日記の比重が高く、夏目漱石南方熊楠永井荷風から阿久悠中村俊輔にいたるまで、様々な日記・ノートを紹介している。Webページのダウンロードやコピペだけではなく、パソコンは慣れてくると、機械的・無意識に情報を打ち込んでしまうことができ、手書きに比べて情報を咀嚼することが少ない。ネット時代、デジタル時代になっても、筆者が言うように手書きノート・メモの効用は大きいと思う。内容で目次を見ると...

第1章 なぜノートがスゴイのか? ノート概論
第2章 かの著名人たちは、こんな「ノート」をつくっていた
第3章 自分に合ったノートの方法を発見する
第4章 手帳、メモ、ノートの連携

 事例が豊富で、最後に参考文献もついており、真面目に作ってある。マンダラートやマインドマップの紹介まであり、これまでのノート活用本のまとめ本ともいえるし、その点でちょっと総花的ともいえるかもしれない。
 この手の本を読むと、筆者がどんなノートを使っているか、気になるのだが、ノートはB5、A5を経て、奥野宣之氏の『情報は1冊のノートにまとめなさい』と同様、A6ノートに落ち着いたという。文庫本サイズは確かにポケットに入る最大の大きさであり、かなり書き込めるし、種類も豊富なのでいいかもしれない。
情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)