NHKが受信料支払いを求める民事訴訟。そんな面倒なことするより、スクランブル化すればいいのに...

NHKは1日、東京都内の2世帯に対し、受信契約の締結と受信料の支払いを求める民事訴訟を起こすと予告する通知を発送した。テレビを設置しているのに契約に応じない状態が続いているという。未契約の事業所を提訴した例は過去2件(その後、いずれも契約したため取り下げ)あるが、この2世帯がなおも契約に応じず提訴に至れば、一般世帯では初のケースとなる。

 NHKが受信料の徴収に燃えているみたいだが、受信料徴収のコストって、どのぐらいかかっているのだろう。そのための人員も要るだろうし。費用対効果はどんなもんなんだろう。来年からデジタル放送に完全移行するんだし、スクランブル放送にすればいいんじゃないのだろうか。で、これは誰でも思いつく話で、これに対してNHKは...

お金を払った人だけが見ることのできるスクランブル方式は、一見合理的でわかりやすいと思われるかもしれません。しかし、スクランブル方式を導入した場合、受信料を支払った人しかNHKの放送を見ることができなくなります。全国どこでも「あまねく」視聴いただけるようにする、という役割も果たせなくなります。地震や台風などの災害報道や、事件・事故などの緊急報道が、お金を払った人しか見られないことになり、それでは人々の生命・財産や生活を守るという、公共放送の使命が果たせません。

 何だか大きく構えているけど、「全国どこでもあまねく」が使命ならば、ニュース、天気、教育だけにして、もっと規模を縮小して効率化し、税金で運営することにすれば...。受益者負担ならば、スクランブルで見ている人だけ払えばいいんじゃないかと...。「お金のある人とない人との間で情報格差」が生まれるというが、低所得者層が受信料を払えないというのならば(テレビは買っているわけだけど)、所得に応じてスクランブルを解除する制度にすればいいだけだし...。
 視聴率至上主義になって教育・福祉番組が十分にできなくなるとか、いろいろと理由をつけているけど、昔のような情報過疎時代ではないわけだから、公共放送も、現代における役割と機能は何か、一度、見直してみたほうがいいんじゃないかと思うけど...。だいたい、元HNKの池上さんが民放に出まくって、ニュースを解説して高視聴率をとり、一方のNHKは若年層の視聴率を上げるためか、民放でおなじみのお笑い芸人を集めたチャラいクイズ番組がつくったりしている。報道分野を除くと、境界線は曖昧になっていると思うけど(ニュースもアナウンサーがわざとらしく走る民放風のチャラい演出が目立ち出しているが...)。
 持てる者と持たざる者の情報格差という点では、テレビよりもインターネットにアクセスできる環境(高速の通信環境につながったPCなり、デジタルデバイスなり)とスキルを万民に提供することのほうが重要だと思うけど...。
 取立てに人手をかけ、民事訴訟で弁護士を儲けさせるよりも、スクランブル化で効率化したほうがいいんでしょう。うちなんか、今と変わらず、WOWOWに払っているのと同じようにNHKにも払うけど...。それとも、スクランブル化して、NHKを見なくても何の不都合もないということに気づかれるのが嫌なのだろうか。まあ、見る番組がなくなったら、やめやすくなことは確かだけど。
NHK受信料は拒否できるのか シリーズ格差を考える〈3〉情報格差 NHK――問われる公共放送 (岩波新書)