OECDの学習到達度調査、読解力トップは韓国とフィンランド。特別参加の上海市はどの国よりも好成績

15歳児を対象にしたOECDの最新PISA(生徒の学習到達度調査)によると、読解力のトップは韓国とフィンランドでした。最新のPISAでは生徒の電子情報の管理力が初めてテストされました。PISAは、70以上の国・地域の50万人の生徒に対して行われた2時間のテストに基づいており、数学と科学のテストも行われました。本日発表されるのは、65の国・地域の調査結果です。続いて好成績を収めたのは、香港(中国)、シンガポール、カナダ、ニュージーランド、日本でした。PISA調査に今回初めて参加した上海市は読解力でどの国よりも良い成績を収めました。上海の生徒は数学と科学でもトップでした。複雑な問題を解く高い数学的思考力を示した15歳児の比率は、OECD平均ではわずか3%でしたが、上海では25%以上に達しました。

 韓国、フィンランドは引き続き教育先進国。どちらも大国の狭間で翻弄された国で、人材を大事にしているところが共通点だろうか。国ではなく、都市として参加した上海はトップ。ただ、「上海は中国でない」といわれるぐらいのグローバル都市だから、上海の結果を中国の結果とみることはできないのだろう。それでも、教育は経済成長の原動力とされているから、この結果は中国経済の力強さの象徴でもあるのだろう。で、日本は...

日本は前々回03年、前回06年と順位を下げ学力低下が問題になったが、今回「読解力」が前回15位から8位になり、初回00年の水準に回復。「数学的応用力」は9位(前回10位)、「科学的応用力」は5位(同6位)と横ばいだった。

 改善はしているものの、この微妙な位置取りが、現在の「そこそこの日本」を象徴しているような...。
OECDの発表資料(日本語)
 http://www.oecdtokyo.org/theme/edu/2010/20101207pisa.html
OECDの発表資料原文(英文)
 Korea and Finland top OECD’s latest PISA survey of education performance => http://t.co/Dk1DzSY
OECDPISA調査結果の詳細(英文)
 PISA 2009 Results => http://t.co/1y3M8SL
韓国の教育格差と教育政策─韓国の社会教育・生涯教育政策の歴史的展開と構造的特質─ フィンランドの教育力―なぜ、PISAで学力世界一になったのか (学研新書) 中国の教育と経済発展