中国がノーベル平和賞に対抗して「孔子平和賞」。ソ連の「国際スターリン平和賞」を思い出すなあ...

中国の民主活動家、劉暁波氏に対するノーベル平和賞授賞に対抗し、中国国内で「孔子平和賞」が設立され、初代受賞者に台湾の元副総統、連戦氏が選ばれた。ロイター通信などが8日、報じた。9日に北京市内で授賞式が行われるという。劉氏に対するノーベル平和賞授賞が決まった後、中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報が、チューリヒ州立銀行北京駐在員事務所の劉志勤首席代表の論説という形で、民間機関による「孔子平和賞」の設立を盛んに提唱していた。

 ノーベル平和賞の選考に不満を持つのはわかるけど、自分で「平和賞」をつくってしまったのか。中国は、こうしたところがおとなげないというか、共産主義国家的というか...。ロシアがソ連と呼ばれていた頃、社会主義国家・ソ連ノーベル平和賞に対抗して「国際スターリン平和賞」(スターリン批判後、「国際レーニン平和賞」)を創設した。そんな歴史の教科書に出ていたことを思い出す。スターリンにしても、レーニンにしても、平和とは縁遠いように思えるだけに、ソ連以外の国にとってはアイロニーだったけど(政府・党関係者以外のソ連の人々にとってもアイロニー?)。まあ「毛沢東平和賞」ではないだけ、良かったのかもしれない。中国って個人的には好きなんだけど、もっと大国らしく悠揚迫らぬ大人として堂々と振舞って欲しい。アヘン戦争以来の積年の恨みを超克できないのだろうか。悲しい。
 最初の受賞者になる連戦氏も台湾の民主化、中国との友好関係樹立に貢献した立派な政治家かもしれないが、台湾・国民党と中国・共産党の和解に尽力した人物とみると、あまりにも「党の論理」による人選という気がしてしまう。おとなげないし、いかにも共産党的な独善の臭いがする。それとも、ノーベル平和賞もその程度のもの、西側の情報宣伝活動だろうという痛烈な皮肉なんだろうか。それはそれですごいけど。
「国際スターリン平和賞」「国際レーニン平和賞については、ウィキペディアの「ソビエト連邦国家賞」の項目に記載が => http://bit.ly/bKRcuW

連戦―台湾ニューリーダーの知られざる素顔

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