「会社四季報 2011年1集新春号」iPhoneアプリ版

 期待していたのだが、これは買って失敗した。コンテンツの中身ではなくて、iPhoneアプリとして買うことはなかった。買うんだったら、紙でも良かったんじゃないか、と思った。
会社四季報 2011年 01月号 [雑誌] 今までは紙の「会社四季報」を買っていた。しかし、重くて、かさばるし、そろそろ電子版を試してみようと思って買ってみた。で、その結果は...、PDF本かあ。指でズリズリとずらして読むわけかあ。ちょっとガッカリ。「会社のホームページ」「東洋経済オンラインの記事検索」「ヤフー・ファイナンスの株価検索」「Google検索」「Wikipedia検索」へのリンクが張られていてデジタルらしい便利さはあるものの、銘柄のページがPDFだとなあ。本当はiPad版が欲しかったのだが、なかったので、iPhone版にしたのだが、なぜiPad版が出ていないのか、わかった。まだ本格的な電子書籍になっていないから。そのまま転用できるようなシステムではなかったのか。過渡期の商品なんだなあ。
 トップ画面に東洋経済の名前とともにYAPPAの名前が出てくる。YAPPAがデジタル化を担当したらしい。以前、ギョーカイの人と飲んでいたら、「新聞、雑誌、書籍をiPhoneなどにデジタル化するとき、YAPPAを使うところが多いが、あの延長線上にデジタルブックはない」というようなことを話す人がいたが、わかる気がする。PDFの電子書籍化みたいな感じで、作る側にとっては簡単なのだろうが、使い側からいうとデジタルのメリットに乏しい。銘柄検索はついているが、業種検索とか全文検索とかはないし...。デジタルブックなんだから、各銘柄の画面に株価チャートをリアルタイムで組み込むなどということもできるんだろうが、そこまではやっていない(ヤフー・ファイナンスで探してね、ということだろうが)。PDF的な世界では難しいんだろう。
 電子書籍は、まだ過渡期なんだんなあ。コンテンツはいいんで、時間の問題なんだろうけど、いま2000円を出して買う時期ではなかった気がする。こうした新しい分野に挑む出版社のパイオニア精神と心意気を買って、激励のカンパとしてオカネを払うということなんだろう。