福島第1原発3キロ内の病院で患者が被爆。なぜ? 迅速・的確な情報公開がないと、社会崩壊が加速するような...

福島県は、福島第一原子力発電所のおよそ3キロ北にある双葉町での病院で、患者や職員90人のうち患者3人を抽出して検査したところ、3人全員が被ばくしたと発表しました。福島県は、「この3人の被ばくは、放射性物質を洗い落とす除染が必要なレベルだが、3人の体調には異常はない」としています。(略)福島県によりますと、病院にいた90人は、12日午後3時半ごろ、福島第一原発の1号機で爆発が起こったときに、高校のグラウンドで自衛隊のヘリコプターによって運ばれるのを待っていたということです。

 被爆としては軽度らしいが、それにしても、なぜ? 爆発が起きたときに、野外にいたことが原因なのか。政府が心配ないと言った後に、こうした話が出てくると、内閣や官庁の発表は信用できるのだろうか、という疑心暗鬼を生み出す。政府の情報公開が遅いことも不安を増幅する。東北ほどの被害がなかった関東でも、首都圏の交通網、特にJRが地震当日に完全に機能停止してしまったこともあってか、社会システムに対する信頼が壊れかけているような気がする。街を歩くと、ちょっと度を超えた食品・飲料やトイレットペーパーなどの買い溜めの動きが出ていることに気づく。レジ前の長蛇の列を見ていると、これはもうパニックではないか、と思えてくる。ただでさえ政治家、官僚が信用されていないのだから、情報公開を含めて、政府が迅速で的確な対応をしていかないと、社会は崩壊し、利己的で誰も信用しない不安な個人の集まりになってしまう。

信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム

信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム