東日本大震災、高齢被災者14人が置き去りにされ、死亡。日本社会が壊れていく

東日本大震災福島県いわき市の避難所に収容された高齢被災者14人が死亡した問題で、14人が当初入院していた同県大熊町の「双葉病院」に自衛隊が救助に行った際、院内に患者を残したまま医師や職員がいなくなっていたことが17日、分かった。自衛隊から入った連絡として県災害対策本部が明らかにした。認知症などの高齢入院患者82人が取り残されていたという。鈴木市郎院長は取材に「置いていったのは事実だ」と認めた。▼同病院は、放射能漏れを起こした東京電力福島第1原発の半径10キロ圏内にあり、菅直人首相が住民に避難指示を出した対象地域。▼同本部などによると、指示の2日後の14日、官邸から県に圏内各地の病院などに残っている患者を連れ出すよう指示があり、県が自衛隊に搬送を依頼。震災対応のため同県郡山市に来ていた陸上自衛隊相馬原駐屯地第12旅団(群馬県榛東村)が救助に向かった。指示が出た当時、300人以上の入院患者がいたが、到着時は寝たきりの患者ら82人がベッドに取り残されていたという。

 悲惨な話。国の避難指示のなかで寝たきりの高齢者が捨てられた形。退避指示の2日後に病院に残っている患者の救助を指示というのは、どういう経緯だったのだろう。放射能事故の退避圏内なのだから、県には無理な仕事で、首相(官邸)が自衛隊に指示を出す話ではないのだろうか。ますます、国は守ってくれない、県知事は守ってくれると思いたくなる事件。米国政府は米国民を保守的な厳しい基準で守るが、日本政府は楽観的に国民の安全を考える。これでは誰も政府を信じなくなり、政府が無政府状況をつくっていくことになる。買い出しパニックが起きる背景がそこにある。非常に怖い状況を政府が創り出している。かろうじて残った市民の常識が社会をまだ平穏に保っているが、この状況が続くようだと、さらに日本社会が壊れていく。
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