東日本大震災から2週間近く。韓国・中央日報が問いかける「日本神話に3つの疑問」
韓国・中央日報が、東日本大震災をきっかけに感じた、日本に対する3つの疑問を書いている。これは日本人の自分自身も感じていた疑問。第一に...
まずは日本は果たして安全な国かどうかという問題だ。 「想定外」という言葉が一般化されるほど大規模な地震と津波はやむを得ないとしても、原発をこうなるまで制御できない国を安全な国と言えるのかという疑問だ。 こうした疑問はまた、米国・英国など他国が自国民を事故原発から80キロ圏外に避難させる状況で日本は30キロに限定したのが果たして国際的な安全基準に適した決定なのか、葉もの野菜から検出された放射性物質が暫定規制値の数十倍になりながらも人体に影響を及ぼす数値ではないというのはどういうことか、などの疑問につながっている。
そして
二つ目は日本は果たして豊かな社会なのかという点だ。 もちろん、多くの国が日本が今回見せたほどの救援活動はできなかっただろう。 それでも日本国民が「安全な国づくり」と同じくらいよく聞いてきた政治スローガンが「豊かな社会に」だった。 しかし地震・津波発生から2週間が経っても依然として避難民は適切な医療どころか、食事さえもきちんとできていない。 いわゆる「在宅難民」も多い。 ガソリンがないため自動車も使えない。
最後に
三つ目は、日本という国のシステムがうまく機能しているのかという問題だ。 物流システムから政治システムにいたるまで、これまで日本を支えてきたシステム全般に対する疑問だ。 数日前からやっと支援物資が行き渡り始めたというが、まだすべてのものが足りない。 地域が必要とするものと支援を受けるものの不一致も続出している。 支援物資は決して足りないわけではなく、住民が作った自治組織のシステムは立派なものだが、これを連結して後押しするシステムは相変わらず不十分だ。
安全も、豊かさも、効率的なシステムも、日本の強さだった。その神話がほころび始めていたのかもしれない。以前から潜在的にあった問題が、震災をきっかけに顕在化したのだな。筆者は「日本がこうした兆しを早期に克服し、挙国的な力で本格的な復旧作業に取り組んでいくことを信じる。 そして東日本大地震以前よさらに安全な国、より豊かな社会をつくることを祈る」と結んでいるが、日本人は課題を発見すれば、解決するのは速いから、克服していけるだろう。
- 作者: 小宮山宏
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/09/01
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