欧州中銀(ECB)がリーマンショック後、初の利上げ。インフレ重視への転換点?

欧州中央銀行(ECB)は7日、主要政策金利のリファイナンス金利を0.25%引き上げ、1.25%とした。トリシェECB総裁が先月の政策決定会合後の記者会見で利上げを示唆しており、市場では、今回の利上げはほぼ確実視されていた。主要先進国による利上げは、世界経済が2008年に景気後退に陥って以降で初めて。

 欧州中央銀行が利上げ。リーマンショック後の金融危機・世界不況の中で先進国は金融超緩和政策を展開してきたわけだが、ユーロが先陣を切って利上げに転換。一方、同じ日に英国は...

イングランド銀行(英中央銀行)は7日、政策金利を予想通り過去最低水準の0.5%に据え置くとともに、資産買い入れプログラムの規模についても現行の2000億ポンドに維持することを決めた。イングランド銀行の政策担当者の大半は、景気回復が金利引き上げに耐えられないほど脆弱(ぜいじゃく)との判断を変えず、原油と食品価格が低下に転じれば、目標の倍以上に達している4.4%のインフレ率も落ち着いてくると見込んでいる。

 超金融緩和を継続。まだ経済は弱体だと...。中国やブラジルなどの新興国やオーストラリアなどの資源国は既に利上げに転じていたが、先進国もインフレ警戒の引き締め派と景気重視の緩和派に分裂し始めるんだな。超金融緩和の代表選手だった米国はどう動くのだろう。
 こうした世界経済の環境変化の中で、東日本大震災に見舞われた日本は、金融を緩和さぜるを得ない。ということは内外金利差から、為替は円安なのだろうか。マーケットは既にその方向に動いている。ちょっと前までは円高が悩みの種だったが、今度は円安が悩みになるかもしれない。円安は輸入コストの上昇につながる。輸出企業もサプライチェーンが痛んで、円安になったからといって、すぐに輸出できるわけでもない。インフレと不況の二重苦というスタグフレーションが日本を襲うのだろうか。

スタグフレーション論の研究

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