いまそこにある3つのリスク−−東日本大震災、MENA騒乱、ユーロ財政問題

財務省幹部は14日、20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議の初日の議論終了後に、世界経済の回復が予想以上に順調な中、日本の震災・北アフリカ・欧州問題という3つの下方リスクが存在しているというのが20カ国(G20)の認識だとの見通しを明らかにした。終了後、記者団に語った。

 東日本大震災後、初めてのG20財務相中央銀行総裁会議が始まったが、そこでリスクとして挙げられたのが、日本、北アフリカ、欧州。東日本大震災地震津波の直接的な被害だけでなく、長期化しそうな福島原発事故処理問題、傷ついたサプライチェーン、東日本での電力供給不足なども含めての話だろう。北アフリカは、国連が軍事介入しても、いまだにカダフィが頑張るリビア情勢もあるだろうが、中東を含めたMENA(Middle East, North Africa)全体の政情不安を指しているのだろう。そして、ポルトガルで再び火を吹いたユーロ圏の財政問題
 ただ、これだけ問題を抱えつつつも、全体としては「世界経済の回復が予想以上に順調」なんだな。BRICSは、むしろインフレ懸念だし、暗い方ばかり見ていても誤るし、明るい方ばかりを見ていても危うい。特に自然災害や政治・社会不安で、経済の前提となる部分が揺らいでいるだけに、経済の先行きを読むのが一段と難しくなってきているなあ。

なぜ経済予測は間違えるのか?---科学で問い直す経済学

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