伊集院静『乳房』
- 作者: 伊集院静,久世光彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1993/09/03
- メディア: 文庫
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伊集院静は夏目雅子を思わせるヒロインが登場する小説として、長編の『潮流』と、この「乳房」を書いているが、「乳房」が断然いい。余分な描写がなく、痛切な想いが凝縮されている。俳優は演じることによって癒され、小説家は書くことによって癒されるといわれるが、そうしたことを思わせる本。伊集院氏は、生きていく哀しさを書くことによって乗り越えていく人なのかもしれない。そして、そこから生まれた言葉が読者の心を震わせる。
【やぶしらず通信・関連ログ】
・伊集院静『なぎさホテル』(電子書籍)を読んで(4月25日)=> http://bit.ly/ffcAeg
・伊集院静『潮流』を読んで(5月1日) => yabuDK note http://bit.ly/kX9Wif