カンヌ映画祭パルムドールは、テレンス・マリックの「ツリー・オブ・ライフ」

フランス南部のカンヌで開かれていた第64回カンヌ国際映画祭は22日夜(日本時間23日未明)、コンペティション部門の最高賞「パルムドール」に米国のテレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」を選んで閉幕した。日本からは三池崇史監督の「一命」と河瀬直美監督の「朱花(はねづ)の月」の2本が出品されていたが、賞を逃した。

シン・レッド・ライン [DVD] 天国の日々 [DVD] カンヌ映画祭、日本映画2作品が出て話題になっていたが、パルムドールは、テレンス・マリックの「ツリー・オブ・ライフ」。テレンス・マリックかあ。独自の映像美を持ちながら、ともかく寡作で有名な映画作家。処女作は1973年の「地獄の逃避行」、次がリチャード・ギアが初めて主役を演じた「天国の日々」だが、これが1978年と5年後。「天国の日々」は大変な評判になったが、そのあとが「シン・レッド・ライン」で1998年だから20年の空白。そして、2005年に「ニュー・ワールド」を撮って、今度の「ツリー・オブ・ライフ」は6年ぶりの作品。「天国の日々」や「シン・レッド・ライン」を見て思ったのは、この人は風の匂いや日差しの感覚まで表現できる稀有な映像作家だということ。今度の映画にはブラッド・ピットショーン・ペンが出ているらしいが、どんなものか、楽しみ。
 このほかの主な受賞者は以下の人たち

▽グランプリ=ジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ監督「少年と自転車」、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督「昔々、アナトリアで」▽監督賞=ニコラス・ウィンディング・レフン監督「ドライブ」▽審査員賞=マイウェン監督「ポリス」▽男優賞=ジャン・デュジャルダン「アーティスト」▽女優賞=キルスティン・ダンストメランコリア」▽脚本賞=ジョセフ・シダー「脚注」▽カメラドール(新人監督賞)=パブロ・ヨルゲリ「アカシア」▽短編パルムドール=「クロス」(マリナ・ヴロダ監督)▽ある視点賞=キム・ギドク監督「アリラン」、アンドレアス・ドレゼン監督「ストップト・オン・トラック」

 「スパイダーマン」のヒロイン、キルスティン・ダンストが主演女優賞をとった。いつかは大きな映画の賞をとると思っていたので、ようやくといったところ。「メランコリア」のラース・フォン・トリアー監督は「ヒトラーに共感を覚える」との発言でカンヌから追放されたが、映画は映画としてダンストの受賞には問題がなかったのだな。
カンヌ国際映画祭・公式サイト(日本語)
 http://www.festival-cannes.com/jp.html
★「トリー・オブ・ライフ」(The Tree of Life)
・公式サイト
 http://www.twowaysthroughlife.com/
・FoxSerchlightにある公式サイト
 http://www.foxsearchlight.com/thetreeoflife/
YouTubeにあった予告編