戦時統制でつぶされたコメ先物が72年ぶりの復活。しかし、震災の影響をめぐり相場観対立。早くも売買、一時中断も

東京穀物商品取引所(東京)と関西商品取引所(大阪)は8日、72年ぶりとなるコメの先物取引を行った。東穀取では関東産コシヒカリの取引開始時点から値幅制限の上限を超える価格で買い注文が殺到したため、売買を一時中断する制度が発動され、初値が付かない波乱の幕開けとなった。(略)コメ先物は江戸時代に大阪・堂島で誕生し、戦時統制で1939年に途絶えるまで約200年間続いた。低迷する国内商品先物取引の切り札として、関係者が早期再開を働き掛けてきた。

 世界で最初に先物を生み出したのは日本。それがコメ先物デリバティブの生みの親は日本だった。その200年続いたコメ先物取引をつぶしたのは戦時統制。戦時統制以来、続いていた規制が外れ、市場に戻るまでに72年もかかったわけか。日本の官僚主導型規制社会は、戦時統制によって確立されたともいわれるが、それが戦後も生き続け、終わるまでに72年もかかったのだなあ---と考えることもできるコメ先物の復活。ただ、戻ってきた相場は荒れ模様。東日本大震災はコメの需給見通しを不確実性を高めているだけに相場に対する見方も対立する。当初、想定されていたよりも高めの相場になっているらしい。それがマーケットの見方ということでもあるけど。
【8月9日追記】
 8月8日の初日には初値がつかなかったらしい。ということで、以下のような記事。

72年ぶりに復活したコメの先物市場は9日、東京穀物商品取引所(東穀取)で初値がついた。1俵(60キロ)あたり1万7280-1万7400円で、ほぼ、この日の値幅上限いっぱいで成立した。値がつかなかった8日に続き、高値での注文が相次いでいる。

 これが今の見方か、あるいは、投機か。まあ、取引を続けていくうちに、価格も練れてくるのだろうな。

変貌する商品先物取引―米相場からデリバティブまで

変貌する商品先物取引―米相場からデリバティブまで