全豪オープン決勝、6時間近いフルセットの激闘の末、ジョコビッチがナダルに勝つ

テニスの全豪オープン最終日は29日、当地のメルボルン・パークで男子シングルス決勝が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチセルビア)が第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)を5時間53分の大熱戦の末に5-7、6-4、6-2、6-7、7-5で破り、2年連続3度目の優勝を果たした。昨年のウィンブルドン選手権全米オープンに続く四大大会3連勝で、1968年のオープン化以降で史上5人目の記録。ナダルの四大大会11勝目は成らなかった。

 第1セットはナダルがとったが、第2、第3セットとジョコビッチが取ったときは、今日はこれで決まりかと思った。とりわけ第4セット、ナダルがサービスのゲームでジョコビッチが40−0となったときは、ここでブレークして、勝負は決まりかと思ったのだが、この土壇場からナダルが猛攻でキープ。すると、流れは一気にナダルものになり、タイブレークに持ち込み、第4セットをナダルが制して2セット同士で並ぶ。第5セットもナダルが最初にジョコビッチをブレークし、この勢いのままナダルが決めるかと思ったら、勝負どころでナダルがミス・ショット。この一発で今度はジョコビッチに流れが移り、ナダルをブレークして、あとは5時間を超える試合で疲労困憊した二人が気合の打ち合い。
 最後はジョコビッチが打ち勝つが、両者ともに精も根も尽き果てた凄まじい試合だった。表彰式では、主催者やらスポンサーの長〜いスピーチの間、二人はフラフラの状態で立っていられない。大会関係者が見かねて、椅子を持っていっていた。スピーチを選手が座ってきいているという珍しい図になった(こういうときは短いスピーチがおしゃれだと思うのだが、スポンサーさんも主催者さんも結構、しっかり話していた)。ただ、受賞の際はふたりともしっかりとスピーチしているところはプロ。
 ウィンブルドンでのナダルvsフェデラーの激闘もすごかったが、今回の全豪オープンでのジョコビッチvsナダル戦はそれをも上回り、5時間53分の戦い。ほとんど6時間の試合。しかも、最後まで二人はボールを追い続け、どこまでもボールを拾い続け、打ち返していた。ものすごい根性。最初はナダルを応援していたのだが、最後はどちらが勝ってもいいという気持ちになったぐらい、すごい試合だった。それにしても、ジョコビッチは強い。技術だけでなく、メンタルも強い。女子の準々決勝で、土壇場でクライシュテルスに逆転されたリー・ナの心が折れてしまったように、第4セットのタイブレークを奪われたときにジョコビッチも同じように集中力や闘争心を失ってもおかしくないところだったのだが、最後の最後まで諦めかなかった。そこがすごい。それがランキング1位なんだなあ。

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