オリンパスの粉飾決算、前社長ら旧経営陣、証券指南役らが逮捕

オリンパスの旧経営陣が損失を隠して資産を水増しし、決算を粉飾していた疑いが強まったとして、東京地検特捜部は16日、前社長・菊川剛容疑者(70)ら7人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)などの容疑で逮捕した。

 財テクから生まれた巨額損失を隠したオリンパス粉飾決算事件、オリンパスの旧経営陣と指南した証券関係者が逮捕されたのだとか。FACTAが昨年8月号でオリンパスの巨額損失疑惑を伝えてから、ほぼ半年。この記事、後追い参戦するメディアもなく、掲載当時は黙殺されていたけど、ウッドワード社長の解任から火がついて、ここまで来てしまったわけね。オリンパスが外国人社長の就任を大々的に発表した適時開示資料の日附を見ると、2011年2月10日。で、社長交代の理由としては...

当社グループは、「グローバル化ネクストステージへ」をスローガンに掲げた「2010年経営基本計画」を昨年5月に策定し、「グローバル競争力のある企業体質への転化」及び「新興国市場への事業展開の強化」に向け取組んでいます。今後、この取組みをさらに加速させるため、経営体制の一層の強化を図ってまいります。

 うーん。新興国市場への展開の成果はわからないけど、この社長交代で、確かにグローバルなコンプライアンスを持った企業体質への転化はできたのかも...。それにしても、この人事の結果、1年後に逮捕されることになるとは、当時社長だった菊川氏本人も経営陣の皆々様も思っていなかっただろうなあ。
 で、逮捕されたのは、この方々...

東京地検は、菊川容疑者のほか、前常勤監査役の山田秀雄容疑者(67)、前副社長の森久志容疑者(54)、さらに損失隠しを指南した外部協力者として、野村証券OBの中川昭夫容疑者(61)の4人を逮捕。警視庁が逮捕したのは、野村証券OBの横尾宣政容疑者(57)のほか、横尾容疑者の経営する「グローバル・カンパニー」取締役の羽田拓容疑者と小野裕史容疑者。

 東京地検特捜部が経営陣を中心とした主犯格の方々、警視庁は今回の損失隠しの「指南役」の周辺の方々、という分担なのだろうか。
オリンパス 「無謀M&A」巨額損失の怪(FACTA2011年8月号)FACTA online => http://bit.ly/pdixXx
オリンパス適時開示情報「社長交代に関するお知らせ」(2011年2月10日) - www.olympus.co.jp => http://bit.ly/zQ7gIH
FACTAの次号3月号にはホリエモンオリンパスについて寄稿しているのだとか => オリンパス菊川前社長らの逮捕について:阿部重夫発行人ブログ:FACTA online => http://bit.ly/zldzRI

コツさえわかればすぐ使える 粉飾決算の見分け方

コツさえわかればすぐ使える 粉飾決算の見分け方