AIJ投資顧問事件。厚生労働省OBが年金基金営業を仲介?

投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区、浅川和彦社長)が年金資産約2千億円を消失させた問題で、旧厚生省(現厚生労働省)OBがAIJとコンサルタント契約を結び、企業年金側に「AIJは年金資産の運用委託先として有望」と仲介していたことが2日、分かった。これを機に複数の企業年金がAIJと契約していた。このOBが経営する年金コンサル会社の役員をAIJ役員が兼務していたこともあり、OBがAIJと一体となり顧客獲得の一翼を担っていた実態が浮上した。

 まあ、いかにもありそうな話。まず「官」を使えと。「官」には何度もひどい目に遭いながら、「官」を信用してしまうという「官」に弱い日本の風土を利用したのだな。要するに、AIJ投資顧問というのは、営業では長けていたということだろう。ただ、「官」の看板を利用するのは、AIJだけではない営業手法だと思うけど。AIJの場合、カネを集める技術には優れていても、カネを運用する技術が致命的に拙劣だったということだろうか。それとも、他の金融系の人たち(あるいは、怖い人たち)に食い物にされていたということなのだろうか。金融の食物連鎖の中では、AIJも下の方にいたのだろうなあ。カネを投じた企業年金は最下層だろうか。

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