何となく怖い習近平。中国は大丈夫なんだろうか。

 中国の新しい指導者となった習近平。何となく、怖さが漂う。会社でいうと、3代目の怖さというか何というか...。例えば、こんな記事...

「私たちの民族は偉大な民族だ」。こう切り出した習氏は、貧しく弱い中国が共産党政権の正しい指導によって富強かつ繁栄国家になったと強調。近年、“死語”になりつつある毛沢東時代の流行語「為人民服務(人民に奉仕する)」を2度繰り返した。そして、次に習氏の口から発せられたのは「共同富裕の道を歩み続ける」という言葉だった。「先に豊かになれる地域と人々から豊かになろう」という蠟小平氏が唱える「先富論」に否定的なニュアンスをもつ「共同富裕」は実は、今春、失脚した薄煕来・前重慶市党委書記が最も好んで使っていた政治スローガンだった。

 この異様なプライドと復古主義。日本でいうと、自民党の安倍総裁、北朝鮮でいえば、金正恩というか。政治的な力を世襲してきた者の言葉が先走る怖さというか。文化大革命の惨禍を無視して毛沢東礼賛をひた走るのか。恐ろしいなあ。訒小平を否定して毛沢東に回帰するのだろうか。恐ろしいなあ。その一方で、早くも、こんな話も...

中国共産党の新最高指導部は党幹部の子弟「太子党」と江沢民・元総書記に近い人物が多く、本人や親族が積極的にビジネスを手掛けて資産家で知られる者も少なくない。習近平総書記一族の資産は300億円規模ともいわれ、張高麗天津市党委書記や劉雲山・党宣伝部長の親族の保有財産も大きいという。

 言葉では、人民に奉仕すると言いながら、指導層の一族が私腹を肥やす...。中国だってネットで情報が走る世界、こうした話はすぐに人民の知るところになってしまうのだろうし、それで社会が持つのだろうか。だから、所得倍増政策を打ち出さないといけないという話になるのかもしれないが、成長にアクセルを踏めば、ますます腐敗も加速していくかもしれないし、どうなることか...。社会の目を、格差問題や腐敗問題から逸らすために、日本が「人民の敵」として利用されたりするのだろうか。何とも不安な中国の新指導体制だなあ。

チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち

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