ザンビアに4−3で逆転勝ち。何だかゼロ戦みたいなチームになってきた?

ブラジルワールドカップ(W杯)に臨む日本代表は6日(日本時間7日)、合宿地の米国フロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムでザンビアと親善試合を行い、4-3で勝利を収めた。本番直前の最終調整試合は、初戦のコートジボワールとのシミュレーションマッチでもあった。ほぼベストメンバーで臨んだザックJAPANは不用意な失点を重ねたものの、テストマッチ2戦連続の逆転勝利で弾みをつけてブラジル入りすることとなった。

 日本代表の強さと弱さが出たようなワールドカップ調整試合になってしまった。前半が0−2と先制点を許したところは、いつもの脆さ。カウンターとセットプレイに弱いところが治らない。一方で、攻撃力はさえ逆転するのだが、ミドルシュートを決められ、同点に追いつかれるところは相変わらず。ただ、最後に青山のロングパスを大久保を決めたところは新たな代表メンバーが選ばれた理由を証明した形だった。4−3という試合はゴールも多くて面白いし、見せ場も豊富。加えて、結果は日本にとってハッピーエンドなんだが、これでワールドカップに万全の準備か、というと...。日本は面白い試合を見せてくれる予感はあるものの、結果については何だか期待と不安が混在する。
 ザッケローニゼロ戦のようなチームをつくったような...。攻撃性能に優れているが、防御装置が考慮されていないような...。攻めには強いが、銃撃を受けると、すぐに燃えて墜落みたいな...。加えて、相手が組織的な対抗戦術を研究してくると、苦しくなるって...、太平洋戦争の航空戦にならないといいけど...。もう守りの問題には目をつぶって、攻撃だけで行くとハラをくくっているようなチームになってきたなあ。ザンビア戦のように4−3で勝つかもしれないし、コンフェデレーションカップのイタリア戦のように3−4で負けるかもしれないし、それは運次第みたいな...。試合としては面白いし、一つの美学だけど、勝利の経営学的な発想ではないのだな。
 それだけに勝敗が読めない。面白い試合はするだろうけど、日本の場合、負けても「感動はありがとう」で終わってしまうから、美学に走るということは、ザッケローニは日本人の特性を良く知っていて、チームをつくったのかなあ。まあ、ぱっと散るのが美しい国だから。
 今日の印象だと、最も苦戦するのは堅守速攻で試合巧者のギリシャで、コートジボワールも、コロンビアも、打ち合いで、取って取られて、どっちが勝つかは、サッカーの神様の気分次第という感じがする。でも、ザッケローニ監督のチーム、シメオネ監督やモウリーニョ監督のチームには弱そうだなあ。