アカデミー賞。ハリウッドの人たちは「6才のボクが、大人になるまで。」よりも「バードマン」が好きだった

世界最高峰の映画の祭典「第87回アカデミー賞授賞式」が23日(現地時間22日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、作品賞は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が受賞した。「バードマン」は、「バベル」などで知られるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が手がけた。マイケル・キートンさん演じる落ち目の俳優が、現実と幻想のはざまで追い込まれる様子を描いた。作品賞受賞により、撮影賞、脚本賞、監督賞と合わせて、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞 作曲賞を受賞した「グランド・ブタペスト・ホテル」と並んで最多タイとなる4冠を獲得した。

バットマン [DVD] 今年のアカデミー賞、主演・助演俳優陣は本命と言われた人たちがすんなり受賞したが、それ以外はそれなりに荒れ模様。当初、作品賞、監督賞の本命とみられていたリチャード・リンクレイター監督が12年間かけて撮った「6才のボクが、大人になるまで。」は、パトリシア・アークエット助演女優賞だけ。この手の映画は受けないのか、あるいはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の独創的な映像世界と「バットマン」のマイケル・キートンの大カムバックがハリウッドの映画人のハートをつかんだのか、主要どころは「バードマン」が持っていった。もっとも、主演男優賞はキートンではなくて、「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士を演じ、本命視されていたエディ・レッドメインだった。
 リンクレイター監督は、この映画でもイーサン・ホークと時間をかけて映画を撮っている。

 「ビフォア・サンライズ」「ビフォア・サンセット」「ビフォア・ミッドナイト」の3部作。どちらかというと、ヨーロッパで受ける作風なのかなあ。ハリウッドではアート系とみられているのかな。でも、これもリンクレイター作品だったのだ。
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 ちょっと意外な感じ。で、「バードマン」のイニャリトゥ監督というと、日本でも馴染みのあるのは... 役所広司菊地凛子も出ていた「バベル」。で、今回の作品賞のプレゼンターはショーン・ペンだったが...
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 このイニャリトゥ作品の主演がショーン・ペンアカデミー賞の投票結果は会計事務所によって厳重に管理されているというけど、このプレゼンターのキャスティングを見ると、ホントかな、と、ちょっと思ってしまう。
 で、もう一つ、29歳の監督(撮影時、現在は30歳)がつくった「セッション」が助演男優賞編集賞、録音賞をとる大健闘だった。
米アカデミー賞公式サイト 受賞者(英語):2015 Oscars: Winners - 87th Academy Awards Nominations
アカデミー各部門ノミネートと受賞者:第87回アカデミー賞授賞式 | WOWOWオンライン