舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選は31日投開票され、元防衛相の小池百合子氏(64)が、元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、こころ推薦=やジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=らを大差で破り、初当選を果たした。初の女性都知事が誕生した。都知事が3代続けて任期途中で辞職しており、保育所待機児童や高齢化、防災など首都が抱えるさまざまな課題に有効な対策が講じられていない。小池氏には混乱した都政の立て直しが求められる。投票率は59.73%(前回46.14%)。
東京都知事選、事前の予想通り、小池百合子新都知事に。投票率が上がれば、小池氏がさらに有利と思っていたら、やはり、ぶっちぎりの勝利。最近は女性のほうが思いっきりがいいし、強いなあ。増田氏も鳥越氏も組織に乗ってという感じだったしなあ。選挙前の石田純一立候補騒動だって、野党の統一候補だったら、みたいな条件付きだったし。男性は組織に頼らなければ、行動できないようなひ弱な存在になってしまったのかなあ。
世界を眺めても、ドイツのメルケル首相、英国のメイ首相ーー国家の危機管理に立つのは女性の時代かあ。一方、民主党の大統領候補ヒラリー。先日の民主党大会でトランプ反撃体制を整えたかと思ったら、そうでもない様子。BBCの座談会を見ていたら、アルジェリア出身(だと思った)の女性が、私は米国にも友人がいるが、ヒラリーは信頼出来ないと言っていると冷たい。「政治的な経験が長いのは認めるけど、その間に何を成し遂げたの?」「大体、オバマに予備選で負けた人が何で今ごろ出て来るの?」「ヒラリーは戦争好き。トランプのほうが孤立主義で、まだいい。ロシアとの関係も改善する」...。そこまでいうか、という感じ。ヒラリーが嫌いなだけでなく、トランプ支持を明言する。うーん。
一方、CNNも共和党、民主党双方の全国大会が終わり、大統領候補が確定したところで、両方の大会を見た視聴者を集めて意見を聞く番組をやっていたが、12人の出席者のうち、ヒラリー3人、トランプ2人、残りの7人は、まだ決めていないか、どちらにも投票したくない...(数字は多少、違っているかもしれないが、要するにヒラリーがトランプを僅差で抜いているが、その両者の合計以上に、ふたりとも嫌が多い)。先行の理由も積極的な支持というより「トランプは嫌」「ヒラリーは嫌」という消去法。こりゃあ、最後の最後まで、どちらが勝つのか、わからない。BBCの座談会でも「何で、この2人から選ばなければいけないの。情けない」みたいな話が出ていたけど、最悪だなあ。
ヒラリーは過去から蘇った亡霊のように見る人たちがいるのだ(あるいは、いつまでいるんだ、この人みたいな印象)。考えてみれば、ビル・クリントンは20世紀の大統領だったのだなあ。日本の政権で言えば、宮沢喜一、細川護熙、羽田孜、村山富市、橋本龍太郎、小渕恵三といった時代。ビルもヒラリーも世代的には若いけど、確かになぜ今?という感じは残るかも。社会に貢献する公的な役割をはたすという意味では、NPOだって、NGOだって、いろいろな方法がある。でも、大統領を目指す。しかも、8年前の大統領予備選でオバマに敗れていても、諦めない。となれば、本人が、自分はこの政策を実現したいから、大統領になりたいという強力なビジョンを打ち出さないと「なぜ今、ヒラリーなのか」が付いて回る。「オバマ政権3期」とか、「オバマより劣る製品を買わされるのか」というイメージを払拭できず、ヒラリーは現状維持の選択に見えてしまう。
東京都知事選では、「異端」を打ち出した小池氏優勢が早めに見えてきたが、米大統領選の行方はわからないなあ。小池氏の場合は体制内改革のなかでの異端だったが、米国は正統(エスタブリッシュメント)過ぎるヒラリーと異端過ぎるトランプ。米国人にしてみれば、「ウンコ味のカレー」か「カレー味のウンコ」か、という選択なのだろうか。3回の大統領候補討論会は、どちらがより嫌われるか、よりマイナスイメージか、というネガティブ・マッチなのかなあ。
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