W杯、前回王者は3大会連続でグループリーグ敗退。ドイツに韓国の壁。そしてトルコ問題?
FIFAランキングでみると、ドイツは1位、韓国は57位。最終戦は楽勝と、ほっとしていたかと思ったら...
www.soccer-king.jp あら~。ドイツは何だか精彩に欠けていた。一方、韓国は気合が入っていた。GKのチョ・ヒョヌはスーパーセーブを連発し、ディフェンスでは体を張って守り、カウンターとなれば、何度も駆け上がった。それがビデオ判定を経てのアディショナルタイムのゴールにつながったのだなあ。2点目は、最後の望みを賭け、ノイアーまで上がっての捨て身の総攻撃の結果とはいえ、惨めだった。
ワールドカップの優勝国はグループリーグで沈む。これって新しいジンクスになるのだろうか。過去を振り返ると...
決まりました。
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) 2018年6月27日
1998年W杯優勝国: 🇫🇷
2002年W杯: グループステージ敗退
2002年W杯優勝国:🇧🇷
2006年W杯:準々決勝
2006年W杯優勝国:🇮🇹
2010年W杯:グループステージ敗退
2010年W杯優勝国:🇪🇸
2014年W杯:グループステージ敗退
2014年W杯優勝国:🇩🇪
2018年W杯:グループステージ敗退
21世紀に入ってから、欧州の優勝国は、フランスも、スペインも、ドイツもことごとくグループリーグで終わっていたのだ。
しかし、今回のドイツ代表、始まる前から不吉な影があった。
news.nicovideo.jp 大統領選を控えたトルコのエルドアン大統領をエジルとギュンドアンが表敬訪問した問題。エルドアン大統領は強権的で、ドイツとは対立することが多い。エジルたちは軽い気持ちで行ったのかもしれないが、移民問題や欧州の価値観で揺れるドイツでは、政治的、社会的に重い行動になってしまった。大統領がエルドアンでなければ、単なる儀礼で終わっていたのかもしれないが、エルドアン大統領が会った目的も選挙があっただろうから、軽率といえば軽率だった。
前回のドイツ代表は、東西、移民など様々な社会問題を抱えながらも一つになって進むドイツ国民統合のシンボルのようなところがあったが、移民問題など世論の対立も激しくなり、そこにエルドアン表敬訪問問題が火に油を注ぐ結果となった。国、社会の一体感の揺らぎは代表チームの一体感をも失わせていくのだろうか。
ドイツ代表の何とも言えない生気のなさ。前回大会で、あれほど輝いていたエジルは今回、どこにいるのか、存在感がなかったし、ギュンドアンも目立つところがなかった。
欧州のワールドカップ優勝国は次の大会ではグループリーグで敗退するというジンクスに加え、ドイツの社会対立が、FIFAランキング1位の本来あるサッカーの強さを奪ったのだろうか。
かつてはゲルマン魂とはこれか、と思うような闘志に溢れていたドイツ代表の選手たちの表情が失われ、ゴールを外すたびに映し出される虚ろな顔を見ていると、魂の部分を揺るがす何かがピッチの外で起きていたのだろうか、とも考えてしまった。