日本vsベルギー戦を前に思い出す、闘将シメオネが語る「格上に勝つサッカーの流儀」

 ワールドカップ決勝トーナメントの日本対ベルギー戦。常識的に考えれば、FIFAランキング3位のベルギーが圧倒的に優勢だろう。そこで思い出すのは、アトレティコ・マドリードを率いる闘将、シメオネの言葉。アトレティコリーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)にあって、ケタ違いの資金力によって世界中から超一流のスター選手をかき集める2つのビッグクラブ、バルセロナレアル・マドリードを相手に渡り合い、リーガ優勝のタイトルを手にしたこともある。

 そのアトレティコ・マドリード監督のシメオネが『シメオネ超効果』という本のなかで、こんなことを言っている。

必ず試合に勝つチャンスはやって来る。どんなチームにも絶対、はない。。必ずミスをする。そのミスにつけ込まなくてはならない。たとえ百に一つの可能性でも、それにしがみつかなければならない。 優勝候補も1年に1日は悪い時がある。それがたまたま君たちと試合する日かもしれないじゃないか。反対に、我われは選手として相手に劣っていても、シーズン最高のプレーができるかもしれない。 その可能性は、最高の自分を出せると信じている限り君たちの手の中にある。だからこそ、君たちは試合を自分たちのものにできるのだ。

ディエゴ・シメオネ『シメオネ超効果』を読む:アトレティコの闘将は選手に自信を植え付ける - やぶしらず雑記録

  勇気と希望を与えてくれるお言葉。そしてシメオネは実際にメッシのバルセロナロナウドレアル・マドリードに勝ち、自分の発言の正しさを証明してみせた。実績に裏打ちされた言葉だけに重みがある。今回のワールドカップでも、ドイツに勝った韓国、スペインをPK戦に引きずり込んだロシアーーシメオネの言う通りだな。

 日本も運を天に任せるのではなく、今日は自分たちの日で、最高の自分を出せると信じて、ベスト8の可能性をつかみとってほしいものです。ベルギーだって、いつも完璧な試合ができるわけじゃない。

 シメオネ語録には、このほかにも、心を打つものが多い。たとえば...

これは競技だ。良いプレーをした者が勝つのではなく、自信を持ってやっている者が勝つのだ。チームに自信を持ってプレーしている者が多ければ、良いプレーをした者が多いチームよりも勝つ可能性が高い。 私の決まり文句の一つに、努力には交渉の余地がない、というのがある。私だってチームが毎週スペクタクルな試合ができればいいな、とは思う。しかし、それは不可能。ただ、全精力を尽くすことは要求できる。 もちろん、良いプレーをするだけでなく、そこに心と力を注ぎ込めば、でき上がったものは比べ物にならないほど素晴らしくなる。

ディエゴ・シメオネ『シメオネ超効果』を読む:アトレティコの闘将は選手に自信を植え付ける - やぶしらず雑記録

  このところ日本代表の選手たちは自信に満ちているようだから、勝つ可能性も高いはず。そう信じたい。そして、ベルギー戦でも全精力を出し尽くしてくれるものと信じています。そして…

重要な試合で格上の相手を前にしながら、エネルギーは我われの味方だと感じることは珍しくない。こうした試合は、日々戦い、努力しながら日の目を見ることのない大勢の人たちに対して「やればできる」「自分の居場所はある」ということを披露する場であると思う。努力、バランス、チームとしての力、相互理解、個人の粘り強さなどによって状況は変わり得るのだ、と

ディエゴ・シメオネ『シメオネ超効果』を読む:アトレティコの闘将は選手に自信を植え付ける - やぶしらず雑記録

 運が良かったね、とか、あの人、持っているよね、とか、要領よく得したね、とかいった結果オーライの試合じゃなくて、「やればできる」という熱い戦いを見せてほしい。信じています。どんなに劣勢といわれても、自分たちの力で状況は変わり得ると。

シメオネ超効果 リーダーの言葉で今あるチームは強くなる

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