ワールドカップ準々決勝を守備力目線で占うと、ウルグアイ、ブラジル、スウェーデン、クロアチアが勝つ?

 ワールドカップ決勝トーナメントの1回戦をグループリーグの失点数で比較してみると、8試合中7試合は失点がより少ない国が勝っていた。残り1試合もPK戦だったから、守備力で勝るチームがゲームで負けたとは言い切れない。PKは運の世界でもある。

決勝トーナメント6試合の結果をグループリーグの失点データから見て守備力の重要性を思う - やぶしらず雑記録

 そんなわけで、失点の少なさに象徴される守備力が勝負を決めるという傾向が前回ははっきりと出たもので、今回も数字あそびを、と、準々決勝の対戦をグループリーグ3戦に決勝トーナメントを加えた計4戦の合計失点から勝敗を占ってみた。PK戦では、得失点差が効いているように見えたので、そちらのデータも一緒に(得失点差は失点をも超越する攻撃力の指標のような気がして...)。比較してみると...

フランス対ウルグアイ

 ● フランス  失点4(得失点差3)

 ○ ウルグアイ 失点1(得失点差6)

ブラジル対ベルギー

 ○ ブラジル  失点1(得失点差6)

 ● ベルギー  失点4(得失点差8)

スウェーデンイングランド

 ○ スウェーデン 失点2(得失点差4)

 ● イングランド 失点4(得失点差5)

ロシア対クロアチア

 ● ロシア    失点5(得失点差4)

 ○ クロアチア  失点2(得失点差6)

  ウルグアイ、ブラジル、クロアチアは失点も少ないし、得失点差でも大きい。この大会では、攻守ともに力が際立っているだけに、ここは決まりのように見えるが、どうだろう。

 ただ、ウルグアイの場合は心配事がある。ポルトガル戦で負傷したカバーニの動向。

news.nifty.com スアレスの1トップという観測記事も出ているが、ワールドカップは情報戦でもあるから、カバーニが出るか出ないかは最後までわからないか。カバーニは守備でも貢献しているから、欠場となると、若手がノリノリになっているフランスとの対戦だけにどうなるか。もっともウルグアイの場合、ゴディン、ヒメネスというアトレティコ・マドリードのCBコンビはかなり強力なので、守備力の強さは不変か。ともあれ、この試合は激戦になりそう(というか、それを期待している)。

 スウェーデンイングランドは、イメージとしてはイングランドが強そう。FIFAランキングでもイングランド12位に対してスウェーデン24位。しかし、この大会でのデータをみると、スウェーデンのほうが失点は少ないことに加え、スウェーデンが5得点をあげたグループリーグのメンバーは、メキシコ、韓国、ドイツ。イングランドは8得点あげているが、ベルギー、チュニジアパナマという2強2弱のグループで、しかも全得点のうち6点はパナマ。やはり、ここはスウェーデンかなあ。

 ということで、失点の少なさを守備力の強さと評価し、現代サッカーでは矛よりも盾が重要な要素を果たすと考えて導き出した準々決勝の勝者は、ウルグアイ、ブラジル、スウェーデンクロアチアだろうか。ただ、ウルグアイカバーニがどうなるかで自信がない。ロシアのホームの威力はここまでだと思うけど、どうだろう。まあ、こんな数字だけで簡単に当たったら、totoで一財産築けるけど。ともあれ、結果が楽しみです。

【2018.07.08追記】

 結局、勝ち残ったのは、フランス、ベルギー、イングランドクロアチア。予想は1勝3敗といいたいところだが、クロアチアとロシアはPK戦だから、その1勝も微妙。ただ、PK戦では得失点差の大きいチームが勝つということは当たったから、1勝といっていいのだろうか。フランスとウルグアイは、カバーニの欠場が響くと思ったから、3敗のうちのひとつは引き分けかな。ベルギー、イングランドは完全な予想外れだった。

サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか

サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか