くまのプーさんは中国では要注意人物らしい。思想信条ではなく、あの人に似ているから?

 独裁国家・強権国家では、ときとしてマンガのようなことが起きる。お隣、中国では...

米報道によると、中国当局はディズニーの実写映画「Christopher Robin(邦題「プーと大人になった僕」)」の同国での公開を認めなかった。米エンターテインメント誌ハリウッド・リポーターが伝えた

決定の理由は明らかになっていないが、中国は全国的にくまのプーさんを検閲しており、今回の措置もその一部と考えられている。

中国当局、実写版「くまのプーさん」映画、公開認めず - BBCニュース

  ユアン・マクレガー主演の「プーと大人になった僕」が中国では上映を認められなかったと。くまのプーさん、中国では検閲されているためらしい。くまのプーさんがなぜ嫌われるのか。ピグレットやティガーやイーヨーと組んで中国で反政府活動をしているとか、ダライ・ラマを支持しているというわけであるはずもなく...。その理由として推測されているのは、習近平ってプーさんに似ているんじゃね、ということなのだとか。政府に批判的なグループがネット上で、プーさんの画像を習近平になぞらえ始めてから、中国政府が神経質になっているらしい。そして...

グローバル・リスク・インサイツは、プーさん検閲が続く理由は、プーさんと習主席の比較を中国政府が、「国家主席の地位と習氏自身の尊厳を本気で脅かそうという取り組み」と認識しているからではないかと言う。

中国当局、実写版「くまのプーさん」映画、公開認めず - BBCニュース

  うーん、プーさんの存在が「地位と尊厳」を脅かす...。で、新作の公開も認めないと...。側近たちが忖度しての検閲か、それとも本人の意志か。いずれにしてもマンガだなあ。プーさんのTシャツを着て北京を歩いていたら、大変なことになってしまうのだろうか。怖くて試せないけど。

 クリストファー・ロビン、プーさんと一緒にいると、好ましからざる人物として国外退去か。

チョン・ウヒの韓国ウェブドラマ「抜群な女」

 NETFLIXにあった韓国のウェブドラマ。

www.netflix.com 「抜群な女」というのは、直訳なのかもしれないが、わかりにくくて、「超できる女」というか、「超イケてる女」といったほうがいいような気がする。ファッション誌に自分のコラムを持ち、テレビに出たこともある女性記者の日常的「あるある話」を10分余り全5回で描く軽いコメディ。伏線がうまく張られていて、それをきちんと回収していく。お気に入りのギャグはこんなもの。

 ヒロインは元カレと手話サークルで知り合ったという設定なのだが、酔っ払ったヒロインは別れたばかりの元カレの留守の部屋に上がり込んで寝込んでしまう。間違いに気づいて慌てて帰ろうとすると、元カレが新しい彼女を連れて帰ってくる。ふたりが寝込んだところで部屋から抜け出そうとするのだが、元カレに気づかれ捕まり、彼女は元カレと眠っている彼女に気付かれないようにと、いきなり手話で会話を始める。ヒロインの手話は未熟で(手話サークルは長続きしなかった?)、微妙に話がすれ違う。このシチュエーションコメディが笑える。

 ヒロインのチョン・ウヒが魅力的。こんな映画に出ている人らしい。

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 これはシリアスな役のようだが、このウェブドラマを見ると、コメディエンヌとしても「抜群な女」かもしれない。

「ブレイキング・バッド」ーーいつの世も悪銭身につかず

 肺がんで余命わずかと告知された高校の化学教師が自分の知識を活用して手っ取り早く大金を稼いで家族に財産を残そうと選んだ道は麻薬づくりだったという米国の大ヒット・ドラマシリーズ。

 評判になるだけあって面白かった。すぐに大金が儲かる仕事ではあったものの、想定外の出来事の連続に、カネが出ていくのもあっと言う間。危険を冒し、知恵と努力の末に(知恵と努力の方向は間違っているけど)爆発的に稼いだはずなのに、自分の手元にはたまっていかない。メキシコのカルテルという怖い存在もある。どうなるかと思いながら、第6シーズンまで全部見てしまった。

 その結論は、というと、悪銭身につかず、という古くからの教え。犯罪を秘密のうちに保ち、対抗勢力から身を守るにはコストがかかる。加えて、使えば使ったで、税務当局、捜査当局に目を付けられるし、マネーロンダリングも大変。裏で稼いだカネを表で使えるようにするのも並大抵のことではない。悪銭身につかず、ということを教えてくれる(最後はたまったといえば、たまったともいえるけど)。

 表ではファーストフード店を営み、裏では麻薬ネットワークの顔役である紳士風の冷酷なボス、何でも処理してくれる仕事人、そして、裏社会に長けた調子のいい弁護士と周辺のキャラクターが書き込まれていることが物語をさらに面白くしている。

エンゼルス・大谷、インディアンス戦で5打数4安打。10号、11号とホームラン2発。ツイッターで動画を見ると

 このところ調子が今ひとつだったエンゼルスの大谷、今日は...

www.sanspo.com  大爆発で、チームの勝利に貢献です。7対4で勝った試合だが、このうち3点は大谷のホームラン。エンゼルスが勝ち越した8回の猛攻も、大谷のヒット、盗塁からで、この試合のMVPといっていい活躍。

 しかも、ホームランは2ケタ。これで投手の方もケガがなかったら、ベーブ・ルースの記録を超えることも夢ではなかったが...。

 そのホームラン、最近はツイッターで動画を見ることができる。まず、先制の10号2ラン・ホームランは...

  レフト・スタンドに入りました。そして、11号ホームラン...

 これは打った瞬間にわかる美しいホームラン。ピッチャーとしては失投でもあったのか、打たれた途端、「やっちまっただ」という風にマウンドでボールの行方も追わずに地面を見ている。そのあとは苦笑いしている風にもみえる。

 ツイッター、いまや結構メディアだなあ。試合のキモとなる場面はあまり間を置かずに動画がアップされている。それはともかく、大谷、どこまで打つか、楽しみです。

不可能を可能にする 大谷翔平120の思考

不可能を可能にする 大谷翔平120の思考

 

アップル、時価総額1兆ドル。プレミアム価格商品の経営を見ると気になるイノベーションのジレンマ

 アップルが時価総額1兆ドルを突破。アメリカの企業で初めて。ツイッターでは...

 CNNでは、スティーブ・ジョブスの勇姿も見ることができます。ジョブズ、カッコ良かったなあ。

 で、TechCrunchの記事を読んでいたら...

iPhone売上台数はわずか1%しか増加していないが、売上額は20%も跳ね上がった。533億ドルの売上は前年同期比で17%の成長だった。iPadのセールスはほぼ頭打ち、Macはダウンしている。ここ数年、Appleは「サービスがAppleの収益性のカギを握る事業になる」と主張してきた。実際、サービスのトータル(Apple Music、iCloudApple Payなど)は96億ドルを記録している。

Apple、ついに時価総額1兆ドルを達成 | TechCrunch Japan

 iPhone Xに象徴される高価格路線の勝利なんだなあ。あと、iPhoneがつくったApple Music、iCloudApple Payといった何でもアップルに囲い込むネットの生態系が効いている。それも含めて、やっぱりiPhoneの会社なんだなあ。

 しかし、アップル・プレミアムといわれる高価格商品の成功体験は永遠なのだろうか。価格帯が上へ上へと行って、価格破壊をもたらすイノベーションが登場したときに対応できるのか。ネットの経済学がその防波堤になるのか。どうなんだろう。

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山根会長問題でも出てきた暴力団との交友疑惑。JOCは本当に動く? 田中JOC副会長問題のときは..

「奈良判定」などという今年の新語・流行語大賞の候補になりそうな言葉まで飛び出した日本ボクシング連盟の山根会長スキャンダル。日大の田中理事長との縁とか、連盟内での強圧的な支配力とか、知らなかったとは思えないメディアのこれまでの沈黙とかを考えると、あちらとの関係のほうはどうなのかな、と思っていたら、毎日新聞が...

mainichi.jp  写真入りで、暴力団との交友疑惑が...。やはり、こういう流れ? で、こんな動きも...

日本ボクシング連盟による助成金流用や不正判定疑惑の問題で、林芳正文部科学相は3日、「事実であれば誠に遺憾」と苦言を呈した上で「日本連盟が自ら客観的な事実関係を明らかにした上で、適切に対応することが重要」と述べ、対応を注視する考えを示した。この問題では日本オリンピック委員会(JOC)と日本スポーツ協会が日本連盟に対し、第三者委員会を設置して調査を求める方針。

【ボクシング】林芳正文科相「事実なら遺憾」 ボクシング不正疑惑 - 産経ニュース

 おお、文科省JOCも動くのだ、これで真相解明だ、ほっと一息、などとは思えないところが日本。それは前例があるから。2015年に国会で取り上げられた田中英寿JOC副会長(当時、いまも日大理事長で話題の人)の暴力団交際疑惑。海外を中心に、東京五輪2020は「ヤクザ・オリンピック」になってしまわないか、と、ツッコミの入ったスキャンダル。

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深沢湖『海を抱いて月に眠る』を読むーー物語でたどる在日コリアンの悲しみの歴史

 佐藤優氏の書評で興味を持ち、読んでみた小説。

海を抱いて月に眠る

海を抱いて月に眠る

 

  ある在日コリアンの家族をめぐる物語。父の死をきっかけに、子どもたちが知らなかった父の本当の姿が明らかになっていく。在日コリアンについては知っているようで知らないことが多い。そのことに改めて気づかせてくれる物語。

 在日コリアンというと、戦前の植民地時代、戦中の強制連行などによって日本に来た人びとというイメージがあったのだが、戦後の混乱期、南北(左右)両派の血で血を洗う抗争と荒廃のなかで日本に渡ってきた難民といってもいい人びとがいたことに思い至る。そして、朝鮮戦争から軍事独裁政権へ、冷戦の最前線として祖国が翻弄されるうちに、日本から半島に戻る道を閉ざされてしまう。

 在日コリアンは、北と南、南でも反共軍事政権支持派と民主派、左と右、日本人に同化するのか民族を貫くのか。一世、二世、三世、それぞれが、それぞれの時代と環境のなかで選択を強いられる。国籍の問題、さらに同じ漢字の名前でもハングルで読むのか、日本語で読むのか。好むと好まざるとかかわらず、選択を強いられ、中立という中途半端が許されない。その過酷さが物語として語られていく。

 一方で、これは家族愛、友愛、祖国愛といった愛の物語でもある。小説として面白いし、朝鮮半島と日本の歴史を知るうえでも刺激的な本。佐藤優氏が激賞するのもわかる。『海を抱いて月に眠る』の巻末には、参考文献が載っている。こちらのリストに出ている本も読んでみたくなった。

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