日銀総裁人事、財務省も参戦しての「コドモのケンカ」?

政府は18日午前、19日に任期が切れる日銀の福井俊彦総裁の後任に元大蔵事務次官の田波耕治・国際協力銀行総裁(68)を、副総裁に元東大教授の西村清彦・日銀政策委員会審議委員(54)を充てる人事案を国会に提示した。民主党は、田波、西村両氏への賛否の正式な検討に入るが、田波氏が旧大蔵次官経験者であるため、財政と金融政策を分離する「財金分離」の立場から、総裁案に反対する方向だ。共産、社民両党も田波氏の総裁起用案には同意しない見通しだ。田波総裁案は参院で否決され、日銀総裁は空席となる公算が大きくなった。

 福田内閣日銀総裁候補を差し替えたと思ったら、何と田波・元大蔵次官。財務省(大蔵省)のOB送り込みへの執念もすごい。この席は絶対、渡さないという、恐るべき執念。しかし、それを止められずに国会に提案する福田内閣自民党も、財務省と一緒になって、民主党にケンカを売っている感じ。民主党もどうかと思ったけど、この土壇場に、こうした提案をする福田内閣自民党の神経もよくわからない。ともあれ、福田内閣自民党民主党の「コドモのケンカ」に財務省も参戦した感じ。「政局」最優先の政党と「OB人事」最優先の官僚の間で、日本が悲鳴をあげている。これじゃあ、Economist誌に「JAPAiN」といわれても仕方がない。かわいそうな私の国・・・。
 で、やっぱり、民主党は「田波総裁」に不同意・・・

民主党は18日夜の党役員会で、政府からこの日提示があった日本銀行の正副総裁人事について、総裁候補の田波耕治・国際協力銀行総裁(元大蔵事務次官)については不同意、副総裁候補の西村清彦・日銀審議委員には同意とする方針を正式に決めた。

チベット騒乱、中国がダライ・ラマを非難

中国の温家宝首相は18日、第11期全国人民代表大会全人代、国会に相当)閉幕後の記者会見で、チベット騒乱はダライ派が組織したと非難、騒乱への当局の対応を擁護した。騒乱について「ダライ派が組織化、計画、指揮、扇動したことを示す証拠がある。ダライ派は常に、独立ではなく平和的対話を志向していると主張しているが、これがうそであることが明確になった」と強調した。

 ダライ・ラマを個人攻撃しても、中国にとっては、国際的な評価を落とすだけだと思うけど・・・。日本大使館員さえ、チベットのラサ入りもできない状態。この秘密主義で、ダライ・ラマを攻撃しても逆効果だと思うが・・・。

中国チベット自治区ラサでの暴動をめぐり、中国政府が、邦人保護を目的とした日本大使館員のラサ入りを許可しなかったことが分かった。高村外相が18日の参院予算委員会の答弁で明らかにした。外相は「オープンにした方が中国のためにもなる」と述べ、中国の対応を批判した。

ダライ・ラマは、チベット騒乱が悪化するならば、引退

The Dalai Lama will step down as leader of Tibet's government-in-exile if violence by protesters in the region worsens, the exiled spiritual leader said Tuesday as China's premier blamed his supporters for the growing unrest.
"If things become out of control then my only option is to completely resign," the Dalai Lama told a news conference in Dharamsala, India, The Associated Press reported.

 中国の「非難」に対して、ダライ・ラマは自体が悪化するのならば、亡命政権の指導者を退くという。双方の情報戦に入っているわけだけど、国際的なシンパシーはダライ・ラマに向かってしまうだろうなあ。弱者でもあるし。

サブプライム関連損失は、78兆円?

国際通貨基金IMF)のシン西半球局長は17日、ブラジルのサンパウロで講演し、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題による金融危機の深刻化で、金融機関やファンドなどの関連損失が約8000億ドル(約78兆円)に拡大する恐れがあるとの試算結果を示した。IMFは昨年9月、サブプライム関連損失が最大2000億ドルに膨らむと予想していたが、事態が急速に悪化していることが鮮明になった。米国が景気後退局面を迎えた場合、影響が世界に波及する公算が大きく、米大手金融機関の経営危機など信用不安の高まりも響いているという。

 半年足らずの間に、サブプライム関連損失は、2000億ドルから8000億ドルへと4倍に拡大する恐れが出てきたのかあ。どこで底が見えるのだろう。

金融大混乱は2009年末まで終わらない?

Deutsche Bank's chief economist, Norbert Walter, echoed Achermann's remarks on a TV news program on Monday. He said the financial crisis would not be over soon. "The turbulence won't be over before the end of 2009," he said. "We need a new order and a new way of thinking in regulating the finance markets."

 ドイツ銀行エコノミストによると、サブプライム問題に端を発した金融システムの混乱は、2009年末まで終わらないという。バブルの後始末が続くし、バブルを制御するために新たな秩序と資本市場に対する規制に関する新たな考えが必要とされるとも指摘する。米国を中心とした国際金融機関の放埒が今回の混乱を巻き起こしたわけで、それをどう制御するのか、大恐慌のあとと同じように、新たな枠組みが必要になっているんだなあ。で、この文章に出てくる「Achermann」とは、ドイツ銀行CEOのJosef Ackermannのこと。で、Achermannは以下のような発言をしている。

Ackermann said simple rate cuts wouldn't be enough. The reason for the global crisis, he argued, was nervousness in the markets, not the availability of money. "There is not a liquidity bottleneck, but an investors' strike," he said. In his opinion the finance markets were in the middle of a "radical correction" after a speculation bubble; and the subprime crisis in the American real-estate market was playing a key role. He also suggested an international financial watchdog should be created -- a sort of global "council of wise men" that could warn markets of speculation bubbles in the future. "Globally operating banks need globally operating oversight agencies," he said.

 今回の問題は、バブル後の過激な正常化であり、それは単純に利下げだけでは解決しないという。政府の支援は不可欠だし、グローバルな監督機関も必要という。1929年の大暴落の後に、SECができたように、新たな金融システムが必要なんだなあ。そんな時期に、日銀総裁も決められない日本・・・。経済界からも、こうした広い視野に立った発言も出てこないし・・・。