水嶋ヒロの『KAGEROU』が第1週35万1000部で初動売り上げ歴代3位

23日発表されたオリコン週間本ランキング(27日付、集計期間13-19日)によると、俳優の水嶋ヒロさんが本名の齋藤智裕(さいとう・ともひろ)名義で15日に発売したデビュー小説「KAGEROU」(ポプラ社)が約35万1000部を売り上げ、総合部門で1位を獲得した。デビュー小説が総合部門で首位を獲得するのは、2008年4月の同ランキング開始以来初めて。歴代初動売り上げでも「ハリー・ポッターと死の秘宝」(119万1000部)「1Q84 BOOK3」(39万8000部)に続く3位にランクインした。

 本の売り方も映画に似てきたなあ。最初にダッシュをかけて売上がL字型に近い形になっていく。どこまで底辺を延ばせるかよりも、どこまで垂直に伸ばせるかの時代なのかも。責任販売制度で返本のリスクもヘッジしているみたいだし、あざといマーケティングに賛否両論、毀誉褒貶激しいが、商売としては、こういうやり方が増えていくのかなあ。今年、小説を出した爆笑問題の太田とか、どう思っているんだろう。
マボロシの鳥 水嶋ヒロとしても、こんな売り方をされると、一発屋になってしまう可能性が高いから、あまり良いことじゃないように思えるけど...。しかし、それも常識人の考え方で、スタート地点を高くしておけば、収穫は逓減していっても(本を出すごとに発行部数は減っていっても)、全体の面積で見れば最大化するということかもしれない。マーケティングとしては正しいのかな。作家としての講演収入にはベストセラー1冊あれば、十分だろう(こちらは大ヒット曲を出して、紅白歌合戦に出れば、あとは地方興業で稼ぐ歌手みたいなイメージだけど)。
 で、『KAGEROU』を読んだ人に聞いたら、星新一的ストーリーに、オヤジギャグ満載という話だった。うーん。この本は図書館でいいかな。
【やぶしらず通信・関連ログ】
水嶋ヒロの『KAGEROU』、書店予約注文で40万部...。返本が怖い?(12月15日) => http://t.co/cT9mfro
【参考】今朝はアマゾンは1位だったが、楽天では4位。昨晩はアマゾン、楽天ともに2位だった。
★アマゾンのベストセラー・ランキング
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KAGEROU

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楽天ブックスのベストセラー・ランキング
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最も「コンビ愛」を感じる お笑い芸人にナインティナイン。矢部浩之の岡村隆史への愛

お笑い芸人といえばコンビでもグループでも、一旦舞台を降りて楽屋に戻れば一切口を聞かないというのはよく耳にする話。しかし、今年は病気や怪我でお笑い芸人が一時的に休養を取るニュースが度々流れ、その度に相方や仲間達でその穴をカバーし合う姿が多々見受けられた。そこで、ORICON STYLEでは「あなたが最も“コンビ(またはグループ)愛”を感じる、お笑い芸人は?」というアンケートを実施。結果は、先月27日に『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)で完全復活を果たした岡村隆史矢部浩之からなる【ナインティナイン】がダントツとなった。

 いい話だなあ。ナイナイといえば、岡村隆史で、矢部浩之は隣で笑っている人というイメージだったが、今年は矢部の愛の強さが輝いた年だった。下の話など、感動ものだものなあ。
ナインティナイン矢部浩之の決断 - てれびのスキマ - BLOGOS(ブロゴス) - livedoor ニュース http://t.co/BK7AmnI
 これを読むと、矢部がえらかったなあ。岡村が休んだのではなくて、矢部が休ませたのか。今回の休業から復帰までを見聞していると、岡村が孫悟空で、矢部がお釈迦様というように見えてくる。岡村が暴れたり、落ち込んだりしても、「大丈夫、大丈夫」とやさしい目で見守ってくれている人。NHKの「ラストデイズ」で松田美由紀が、本当の愛にひとつでも出会えれば(どんなに厳しくても)生きていけるというような話をしていたが、矢部と岡村も愛の物語だな。いずれ、それも笑いにしてしまうんだろうけど。
ナインティナインのオールナイトニッ本 (vol.1) ナインティナインのオールナイトニッ本 vol.2 (ワニムックシリーズ 135) (ヨシモトブックス) めちゃ2ナインティナイン!!~『めちゃナイ』

国債が民間預金を上回る金利設定? 国はなりふり構わず民間からカネを集めたい?

財務省は22日、個人向け国債の商品性を見直す方針を決めた。10年物(変動金利型)の金利について、現在の「基準金利マイナス0.8%」から「基準金利×0.66%」に変更。低金利下で民間の預金などより高めの金利が付くようにする。5年物(固定金利型)は発行から2年間は中途換金できないルールを改めて、1年後から換金できるようにする。低迷する個人向けをテコ入れし、金融機関などに偏った保有構造を改める狙いだ。

 日本人は預金好きだけど、銀行は預金を集めても、融資先を満足に見つけられず、国債を買っている。で、国はそれでも満足できないのか、今度は国債金利を高めに設定して、直接、個人からカネを集めようとしているのだという。これって本当は何のためなのだろう。「低迷する個人向けをテコ入れし、金融機関などに偏った保有構造を改める狙いだ」というけど、金融機関が国債を引き受けなくなる日、あるいは、一転して国債売りに出る日が来るとみているのだろうか。民間預金よりも高めの金利設定ということは、10年モノでみれば、民間銀行よりも国の方にリスクが大きいということを認めたのだろうか。
 何としてでも国に民間貯蓄を吸い上げたい。それほどの財政難に陥っているということか。行政改革増税もできず財政再建の道筋も描けず、かくなるうえはクラウンディングアウトになろうがなんだろうが、ともあれ国にカネを集めたいのか。国債金利が上がれば、それに対抗して社債のレートを押し上がるということになるのだろうか。これは金融・経済の生態系に影響を与えるものなのか、それともテクニカルな話なのか...。どうなんだろう。しかし、金利をいじるということはカネの流れを変えようとする意思があるわけで、そうすると当然、生態系にも変化が生じる気がするが...。団塊世代がリタイアし、国民金融資産がピークアウトする中で、民間と国でパイの取り合いをする?
 「金融機関などに偏った保有構造」を改めるって、銀行預金をやめて国債を買いなさいということなんだろうか? 民業圧迫みたいだけど...。それとも、意地悪な言い方をすると、国債保有リスクを銀行から個人に振り替えるということなんだろうか。実際、知り合いに心配性の人がいて、こんな財政状況では国債暴落が起きるんじゃないかと不安になって、持っていた国債をすべて売り払ってしまったけど、そうした不安心理を持っている個人投資家に、リスク・プレミアムを払うことにしたのだろうか。
 マーケットで言えば、国債金利が上がるということは、相場は下落するということ。財務省自ら国債の利回りを上げるということは「保有構造」とか何とかいう以前に、金利を上げなければ思うような調達ができないと思っているということで、今後、国債金利は上がるということか?。となると、休み明けの国際相場は売りから入るということなんだろうか。「国債暴落」本は既にいっぱい出ているが、こうした財務省の行動は不安心理に火をつけたりしないのだろうか。だいたい、本人がプレミアムを払うというのならば、もっと払えと迫るか、プレミアムを払うほど事態は悪いと読むのがマーケットという気がするけど...。
 ともあれ、今朝、新聞を読んでいて、いちばん気になった記事。
国債暴落 (中公新書ラクレ) 国債大暴落の恐怖 日本国債 暴落のシナリオ

ラストサムライ

ラスト サムライ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

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 トム・クルーズ主演で、渡辺謙を一躍、ハリウッド・スターにした映画。これが「バットマン・ビギンズ」「硫黄島からの手紙」「インセプション」につながっていたわけだなあ。それだけの迫力がある。真田広之も「ロスト」のラスト・シーズンに出ていたし、本格的な日本人俳優が出た映画だった。アクションシーンも殺陣も迫力がある。こうして見ると、武士道というのは海外にも通用する普遍的な思想というか、倫理だったのだなあ。
硫黄島からの手紙 [DVD] 武士道 (岩波文庫 青118-1) 新装版 翔ぶが如く (1) (文春文庫)

官のプロパガンダのための「幸せ」尺度探しにならなければいいけど...

国民の「幸福度」を測ろうとする政府の取り組みが本格化している。豊かさの代表的指標である国内総生産GDP)で中国に追い越されようとしている中、多様な統計を駆使して満足度を捉え、政策立案に生かす試み。専門の研究会が来年6月までに具体的な測定方法の案を示す予定だが、人の幸せには「いろいろな側面がある」(内閣府の和田隆志政務官)だけに、議論は多岐にわたりそうだ。

 「幸福度」が、官の既得権益を守るための理論武装のために使わなければいけど。幸福度を上げるために、いろんな公共機関をつくって、税金を使おうと考えているんじゃないかとか、つい疑ってしまう。政府は何でも官主導の人たちだから。抽象的な幸福度の前に、憲法に定められた、すべての国民が持つ「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」のために、限られた財源の中で、いかに政策を実行していくかのほうが大切なんじゃなかろうか。「新しい公共」が「古い公共」を温存しつつ「新しい公共法人」を新設することだとしたら、悪夢だけど。
 しかし、この測定法の案が出てくる2010年6月まで、いまのような政治が続き、官治国家がさらに強固なものになっていくのならば、幸福度を測る必要もない惨状になっているような気もする。それとも、お上が幸福かどうかを決めてくれる「すばらしい新世界」ができるのだろうか。
新しい公共を担う人びと 人間が幸福になる経済とは何か すばらしい新世界 (講談社文庫)

『KAGEROU』万引き事件、舞台はセブンイレブン。コンビニエンスに買える本なのだ

逮捕容疑は同日午前11時ごろ、千葉市中央区登戸のコンビニエンスストアセブンイレブン登戸店」で、小説やコミック本計6冊(6千円相当)を万引しようとしたところ、犯行に気付き、取り押さえようとした男性店長(39)を押し倒すなどして足に軽傷を負わせたとしている。同署によると、盗難にあった本は「KAGEROU」3冊と、人気コミック「宇宙兄弟」3冊。

 万引きした犯人を取り押さえようとした店長さんにケガを負わせたということで、万引きが「強盗致傷」容疑に。この程度ならば、記事にもならないんだろうけど、万引きした本に水嶋ヒロの『KAGEROU』が入っていたもので、ニュースバリューがワンランクアップして活字になってしまった。犯人がちょっと可哀想。
 3冊盗んでいるところからもわかるように、水嶋ヒロのファンの思い余っての犯行ではなくて、「転売」目的だという。「宇宙兄弟」と同等か、それ以上のマーケットバリューがあったわけか。さらに場所がセブンイレブン。書店だけでなくて、コンビニにも本を積んでいたのか。それはすごい数のベストセラーになるわけだ。
宇宙兄弟(12) (モーニング KC) KAGEROU 書店経営者が書いた万引き防止の完全対策―書店・レコード店・その他小売業の万引き防止マニュアル