ロバート・ワイズ死去(2005年9月14日)

ミュージカルの古典的名作「サウンド・オブ・ミュージック」と「ウエスト・サイド物語」でアカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞したハリウッド映画界の巨匠、ロバート・ワイズ監督が14日、心臓の病気で死去した。91歳だった。近親者によると、監督は10日に誕生日を迎えたが、その後体調が急変。ロサンゼルスの病院に入院していた。

 このところ、CATVで「サウンド・オブ・ミュージック」を放映している。ロバート・ワイズの追悼編成。でも、「サウンド・オブ・ミュージック」だけというのもかわいそうだな。この映画をファミリー映画と見ると、ワイズの作品の系譜からちょっと外れている。もともとは社会派の監督で、大衆性はあったけど、ファミリー映画タイプの人ではなかった。「サウンド・オブ・ミュージック」も、ナチスドイツから逃れて亡命する映画だから、そのあたりでワイズとつながるということなんだな。でも「スター!」まで行くと、これは寄り道だったなあ。「ウエスト・サイド物語」で、ミュージカルが得意とみられ、もう一度、ジュリー・アンドリュースとセットで、とプロデューサーは思ったのだろうけど、これは失敗だった、ワイズというと、ミュージカルよりも、むしろ、「アンドロメダ…」とか、「深く静かに潜航せよ」とか好きだったけど。「ウエスト…サイド」はやはりジェローム・ロビンスの存在が大きいし。そういえば、ワイズは「市民ケーン」の編集者でもあったのだな。