犯人はネットでわかる推理小説

テレビCMではおなじみの“続きはウェブで”が、とうとう出版界にも登場した。今月中旬に発売された推理小説「ノー・ソリューション」(石井敏弘著)には、犯人が誰かという結末が一切、書かれていない。巻末に掲載されているサイトへパソコンや携帯電話でアクセスすると解決編が読めるという、珍しいネット連動型小説だ。

 いろいろと考えるなあ。仕組みは簡単だけど、問題は、このコンセプトに耐えるプロットと内容か。そうでないと、話題作りの一発芸になってしまう。もうひとつは、この仕組みで売れるのかどうか。むしろ、LOSTみたいな謎を追う長編ストーリーにして、ヒントをサイトで与えた方がいいような気もするけど。それとか、キャラクター小説の詳細なキャラクターをサイトで紹介するとか。でも、これって、もうテレビ番組あたりでは、やっているな。むしろ、そのキャラクターのサブストーリーを短編でサイトに出すということだろうか。あるいは、キャラクターだけ紹介して、みんなにストーリーをつくってもらうとか。いろんな手は考えつくが、問題は、それ以上に、プロット、キャラクター、ストーリーが魅力的かどうかだな。