HPなんて比じゃない、すごい米国企業セクハラCEOの話

 Guardian.comを見ていたら、「アメリカンアパレルの興亡(The rise and fall of American Apparel)」という記事が大きく出ている。

The ethical clothing firm founded by controversial CEO Dov Charney is facing bankruptcy

 こんなリードだったので、英国か欧州でアメリカのアパレル産業のどこかの会社が苦境に陥っていという記事かと思って読み始めた(Gurdianは英国のメディア)。すると、記事はこんな具合に始まる。

It wasn't having oral sex with an employee in front of a female journalist that now threatens to undo Dov Charney, founder of American Apparel. Nor was it simulating oral sex with another female member of staff whom he had ordered to pretend to masturbate in front of him. The 41-year-old's professional and personal reputation isn't even on the line because at least three female employees have filed sexual harassment lawsuits against him (all the cases were settled before reaching trial); nor because he walks through his factory in his underpants and conducts meetings wearing just a thong - or a sock. The sock is not, one should add, worn on his foot.

 なんじゃ、こりゃ。経済記事とは思えない単語が乱舞している。ファッションに疎い私としては「アメリカンアパレル」という会社は初めて知った。そこで、日本語のニュースの方を見ると、情報があったのは、AFPぐらいで、そこに「ウディ・アレンがアパレル会社に賠償請求、場外ですでに泥仕合」という記事があった。アレンの「アニー・ホール」の映像を無断でCMに利用したことでトラブルになっているらしいのだが、このアパレル会社が、アメリカンアパレルで、創業者CEOのドブ・チャーニは奇行で有名として、こんな話が出てくる。

 アレン氏と一戦を交えるのは、アメリカンアパレル創立者でもあるカナダ人のドブ・チャーニ(Dov Charney)最高経営責任者だが、セクハラをめぐる訴訟や、仕事関連の場で恥部を露出するなどといった奇行で、チャーニ氏自身のイメージも傷だらけだ。
 2006年には「わたしは自分の新製品を披露するのに、よくパンツを脱ぐんだ」と発言し、チャーニ氏の悪評はさらに増した。米女性誌ジェーン(Jane)の女性記者が、経歴取材のために2004年、チャーニ氏に同行していた際、同氏が自分の目の前でマスターベーションをしたと明かしたこともある。
 チャーニ氏に対しセクハラ訴訟を起こしている女性の1人は、同氏が自宅で開いたビジネス会議に、おそらく新製品になっていたかもしれない靴下ならぬ「ぺニス下」をつけて登場したと訴えた。

 ああ、これがGuardianの話だったのか。ヒューレット・パッカードのセクハラ問題など足元にも及ばない。あれは疑惑ぐらいの話だったろうけど、こちらは...。
 で、今は経営的にも大変な状態らしい。そのAFPの話はこちら。
 急成長の米衣料メーカー「アメリカンアパレル」、経営悪化でピンチ
 http://www.afpbb.com/article/economy/2749190/6088125
 8月18日の記事だが、広報は、倒産の噂を否定している。しかし、セクハラのスケールが違うCEO。放送禁止用語やら、印刷にできない言葉が多くて、日本のメディアではあまり多くは報じられないのだろうか。